働きアリの法則と工数管理で強いチームを作る!

働きアリ 工数管理 強い組織

ビジネスの場において、一人でできることは意外と少なく、チームや部署といった組織を動かしていくことで、より仕事がはかどることの方が多いでしょう。
では、その組織をもっと効率よく動かしていくためにどういった対策があるのでしょうか。
本記事ではそういった疑問をお持ちの方向けに、ヒントとなるような考え方を提示していきます。

人間には何かしら根拠があった方が行動を起こしやすいという特性もあるので、そういった根拠を提示するためのヒントとして、工数管理の重要性についても触れていきます。

また、記事内で紹介する「働きアリの法則」を理解しておくことで、考え方が変わったり、人に対する接し方が変わったりするきっかけになるようなこともあるので、ビジネスに限らずご興味をお持ちの方はご覧下さい。
組織は意外と上手くできているということに気づくかもしれません。

働きアリの法則とは

働きアリ 工数管理 強い組織

一般的にアリは働き者というイメージがあるかもしれませんが、そうではないアリもいるようです。
アリをよく観察していると、100匹いた場合、20匹はよく働きますが、60匹は普通に働き、残りの20匹はほぼサボっているそうです。
つまり、この2:6:2の法則のことを「働きアリの法則」と呼んでいます。

この法則は均衡が保たれているようで、上記の100匹の中から、よく働く20匹だけを取り出した場合でも、再びよく働くアリが4匹(20%)、普通に働くアリが12匹(60%)、サボるアリが4匹(20%)と再編成され、「2:6:2」の比率が成り立ちます。

反対に最初の100匹の中から、サボっていた20匹を集めた場合でも、その中から20%のアリはよく働くようになるということが言えます。

つまり、動物に限らず人間の場合でも一定程度の人数の集団が形成されると、よく働く人間と、可もなく不可もない程度に働く人間、サボってばかりの人間に分かれると言えます。
これは皆さんにも経験があるのではないでしょうか。
「あの人はよく働くなぁ~」、「あの人はサボってばかりだなぁ~」などといった会話をしたことがある方も多いことでしょう。

働きアリの法則のからもわかるように、人間の世界でも集団が形成されると、働きぶりに差が出てくるのは、ごく自然なことだという考え方をすることもできます。

スターばかり集めても強いチームは作れない

働きアリ 工数管理 強いチーム

働きアリの法則の考え方を利用すると、会社やスポーツチームなどの組織はメンバーが一定程度の均衡で保たれているので、良い状態をキープし続けられるという見方もできます。

つまり、会社に社長ばかりいても、その会社は上手く回転していかないだろうということは容易に想像がつきます。
社長や副社長などの役員が数名いて、部長、課長、係長等の管理職が一定割合で在職し、その下に若手社員や新人がいるという構図があって、会社や組織は上手く動いていくのではないでしょうか。

必ずしも各階級のバランスが取れている必要はありませんが、ここでは社長ばかりいても組織は成り立たないということをご理解頂ければ幸いです。

かつて2000年代の某プロ野球球団は、FA(フリーエージェント)等で各チームの4番打者ばかりを集めていましたが、結局思うような成績を残すことができないという時期がありました。
つまり、野球というチームスポーツにおいても、1番~9番までの各打順の役割を果たせる選手がいてこそ、強いチームが出来上がるということであり、各チームのスター選手を集めたところで、見栄えは良いかもしれませんが、勝てるチームにはならないということを証明した良い例だったのではないでしょうか。

もちろんホームランをたくさん打てる4番打者は魅力的ですが、それだけではなく、盗塁ができる選手やバントなどの小技が上手な選手、守備のスペシャリスト等の各分野に適材適所の選手がいてこそ、チームとして上手く回っていくということです。

こういったことを頭にいれて人員配置をしていくと、会社や組織として強いチームを作り上げることができるでしょう。

【働きアリの法則・応用編】会議で静かな人に発言してもらうには

ここで、少しブレークタイムを挟みます。
会議でお悩みの方は必見です。

仕事中には会議をすることもあると思います。
会議は一定程度の人数で情報を共有することや、今後の方針を決めること、互いの意思を確認し合うことなど、さまざまな目的で開催されますが、なかなか発言しない人も少なからず存在します。

特に発言する必要がなく、聞いているだけで良しとする会議であれば問題ありませんが、そうではなく、各個人の意見を言い合う場においても、静かな人がいる場合は改善が必要でしょう。

そんな時に、頭ごなしに発言しないメンバーを否定するのは得策ではありません。
人によっては、怒られたことを気にして、ますます発言しなくなってしまう可能性もあります。

そうではなく、働きアリの法則を応用して、会議で静かなメンバーだけを集めて、そのメンバーたちで会議を行ってもらえば良いのです。
つまり、発言しない人たちを数人集めて会議を行うことで、その中からまたリーダーシップを取る人が現れ、きちんと会議は成立するはずです。

あらかじめ設定された議題に則って、決定事項を上司なり部署のメンバーなりに報告して下さいという形をとれば、ほとんどの確率で何かしらの報告がなされることでしょう。

このような形を取ることで、思わぬアイデアを持っていたり、ビジネスのヒントとなるような考え方をしていたりするメンバーに出くわすことがあるかもしれないので、会議で悩んでいる場合には有効な手段です。

工数管理で下位20%を引き上げる

働きアリ 工数管理 強いチーム

ここまでブレークタイムも挟みつつ、働きアリの法則と、強いチームの作り方について紹介してきましたが、この段落ではより実践的に強いチームを作り上げるための秘訣について迫ります。

一定程度の規模となると、部署やチームに人員を配置するという会社も多いでしょう。
一方で、部署やチームは存在せず、一つの組織で全ての仕事をこなしているという会社もあるでしょう。
そういった各組織において、”感覚的に”よく働く人と、サボって見える人は少なからず存在すると思います。

しかし、感覚に任せて「あの人は頑張っている」ということや、「あの人は全然働かない」などと言っているようでは、その組織が改善の方向に向かうのは難しいでしょう。

そうではなくて、適切なデータをもとに各社員の働きぶりを可視化していくことが組織の改善につながります。
当然、部長クラスと新人クラスでは給料が違いますので、そういった単価の違いも含めて、該当社員が職位に見合った働きができているのか、データで検証することが大切です。

そのために必要なのが工数管理という考え方で、各社員に一日の作業とその作業にどのくらいの時間がかかったのかを日々記録してもらいます。

小さな組織であれば(~10人以下)エクセル等でも構いませんが、ある程度の規模で改善に取り組むのであればネット上でサービスされているツールを利用するのが良いでしょう。
毎日、社員の仕事ぶりを入力してもらうことで、まとまったデータを取得することができるので、そこから各社員のデータを分析していきます。

あらかじめ設定しておいたプロジェクトごとや社員ごとの目標(予算)に対して、実績はどうなっているのかを一定周期で確認していくことで、本人にもそのことを伝え、働きぶりを評価していくことが重要です。
プロジェクトやメンバー本人の予算通りに実績を達成することができていればそれほど問題ありませんが、そうではない場合にデータの有効性が出てきます。

感覚に任せて頭ごなしに注意されたり怒られたりされれば、逆にやる気を失ってしまう人もいるかもしれませんが、データをもとに論理的に説明されれば、自分に何が足りないのか冷静に考えて、改善していこうという意欲がわき上がりやすくなるでしょう。

ここでポイントとなるのが、組織の中でも働きぶりが特に下位に位置するようなメンバーたちを引き上げていくことです。
というのも、その方が上をさらに引き上げるよりも短期間で効果を発揮する可能性が高いからです。
もちろん単純にサボっているというのは論外ですが、一生懸命やっているけどデータ上はなかなか成績が良くなってこないタイプの人間を引き上げるのです。

受験勉強を経験されたことがある方なら、ご理解頂けるのではないでしょうか。
偏差値を同じ5上げるというケースでも、既に65の偏差値がある人を70にするのはかなり難しいですが、偏差値45の人を50に上げるというのは前者よりは難しくありません。

つまり組織においても同様で、既に上位の成績を残している人をさらに引き上げるよりも、下位グループに所属する人を少しずつ上げていく方が、結果につながりやすいと考えることができます。
当然、上位グループのメンバーや中間層を引き上げることも重要ですが、下位グループを引き上げることの方がより結果につながりやすいという考え方です。

そのためにも工数管理を行い、日々の作業実績を可視化することで、本人とともにデータ分析を行って、強いチームを作るために改善を重ねていくことが大切です。

まとめ

働きアリの法則は面白いもので、集団ができれば一定程度の割合で働きぶりが分かれるようです。

スター選手ばかりいても勝てないことを本編でご紹介しましたが、それは会社に通ずるところもあり、役職の高い社員で、よく「自分がいなくなったら、この会社(部署)は潰れる」などと考える人もいるようですが、実際にそういったケースになることは多くないでしょう。
実際にその人が退職しても、多くの場合はそれまでと変わりなく運営することが可能で、ましてや潰れるなどということはほとんどありません。

働きアリの法則でもご紹介しましたが、そういった人間がいなくなっても、次のリーダーや中心となって引っ張っていく人物が現れるためです。

ですから、組織を引っ張るような立場の方は、必要以上に心配することはなく、自分のタイミングで引き際を決断することが大切です。
組織の新陳代謝を図るという点においても、若返りを図るのは大切なことなので、その辺のタイミングを見誤らないことがポイントとなるでしょう。

2:6:2の法則を頭に入れておくことで、組織のことを柔軟に考え、それぞれの立場の人間を上昇モードに引き上げていくことが、組織の継続的な成長には大切なことと言えます。

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