プロジェクトキックオフを有効に使うことがプロジェクト成功の秘訣!

プロジェクト管理 プロジェクトマネージャー プロジェクト会議 キックオフ

プロジェクトを開始するに当たっては、キックオフから開始に至るまでの期間をいかに過ごすかが、スタートダッシュを決めるためのポイントとなります。
スタートが上手くいかないと、そのまま悪い流れをずるずると引きずってしまい、軌道修正を図るのが難しくなってしまいます。

そういった意味でもスタートダッシュを成功させることが重要であり、スタート時点の出来がプロジェクトの成否を左右すると言っても過言ではありません。

プロジェクトのキックオフは、重要な試合前のロッカールームの集まりのようなものです。
チームの活力をみなぎらせ、目標達成の士気を高め、勝利に向けた布陣を敷くことが重要です。

そういった布陣を敷くためにやるべきことをまとめているので、本記事をご覧頂き、キックオフからの流れを参考にしていただけると幸いです。

プロジェクトキックオフで確認すべき5つのポイント

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プロジェクトのキックオフでは、メンバーの士気を高め、全員が同じ方向=プロジェクトの成功、に向けてスタートを切ってもらうことが重要です。
そのためのキックオフであり、プロジェクト開始に当たって、改めて気持ちを集中させる場でもあります。
どんなプロジェクトであれ、ゴールに向かって進んでいくためには、かなりのパワーが必要となります。
そのための英気を養うという意味でも、キックオフの場を有効に利用することが重要です。

キックオフを行う前に、プロジェクトマネージャーはプロジェクトの方針を確認しておくことが大切です。
マネージャーのリーダーシップスキルと、メンバーに対するマネジメント戦術は相互に絡み合うものであり、それらを上手く融合させることがプロジェクトを成功に導くための鍵となります。

いざキックオフとなったら、以下の5点をメンバーと共有することがポイントです。

  1. プロジェクト目標をメンバーに周知させ、各人の目標と責任を明確にする
  2. プロジェクトに対するコミットメントを各メンバーから取り付け、目標達成への熱意を高める
  3. プロジェクトマネージャーとしての立ち位置をメンバーに示し、マネージャーとしてリーダーシップを取っていくことを明確にする
  4. 報告書の作成方法や会議のやり方など、基本的な実行手順を確認する
  5. プロジェクト全体のスケジュールを最終確認し、作業責任者に作業開始のゴーサインを出す

これらの5つの点をチーム全体で再確認することで、各作業を実行するための条件を整えることが大切です。
そのための第一歩が、プロジェクトの目標と関連手順について明確なコミュニケーションを取ることです。

また、懇親会を開催するなどして、各メンバーがお互いの顔を見てコミュニケーションを取ることで、仕事上においてもスムーズなやり取りができる関係を築いてもらうことも、この段階では重要なことと言えます。

キックオフからプロジェクト会議までの時間を有効に使う

無事にキックオフが終了したら、次にやるべきは、第一回プロジェクト会議までの時間を有効に使うことでしょう。
通常、キックオフからプロジェクト会議までの期間は3日~1週間程度あります。
その期間で、チームメンバーは、改めて自分の役割について客観的に見直すことが大切です。

プロジェクト計画に穴があれば、その間に他のメンバーやプロジェクトマネージャーと話し合うことで解決することができるものもあるでしょう。
作業開始前に別途時間をとって、メンバーからの質問や問題提起をしてもらう場を設けるのも良いでしょう。

そういったやり取りを通して、プロジェクトに対する疑問をなるべく少なくして、円滑なスタートを切れるようにしておくことが大切です。
プロジェクトに対して疑問が残ったままスタートしてしまうと、その部分が後々、大きな穴となってプロジェクトの進捗に悪影響を及ぼす可能性が高まります。
そういった意味でも、作業開始前に解決できる部分は解決しておくことが大切です。

プロジェクト開始前に限らず、プロジェクト中においても、必ず疑問はわき上がってくるものなので、チーム会議などを通して、一つずつ疑問を解決していくための体制を整えておくことがプロジェクトチームには求められます。

プロジェクト会議までの時間にいわゆる「戦略室」を設置するケースもあり、これはプロジェクト期間中も設置しておくと効果的です。
会議室などの1部屋をチーム専用にあて、電話やインターネット、イントラネットの回線を引き、チームメンバーがいつでも立ち寄ることができて、作業をすることもできます。

ちょっとした会議を行う場合にも便利で、チーム内のコミュニケーションを促進するという意味でも、自席以外に作業スペースを確保しておくことは大きなポイントとなります。

会議室利用等の問題もありますが、可能な限り社内の協力を得て、戦略室を確保しておくとプロジェクトの円滑な推進に役立ちます。

プロジェクト会議でチームの結束力を高める

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キックオフを機に、いよいよプロジェクトが始動します。
第一回プロジェクト会議はキックオフから1週間以内に開催するのが良いでしょう。
あまり間隔が空きすぎると、プロジェクトに対するモチベーションの低下が懸念されるためです。

可能な限りプロジェクトメンバー全員に参加してもらい、今後の流れについて改めて確認し、プロジェクトをスタートさせるための会議とします。

プロジェクト会議を行う際は、事前に議題に関する資料をメンバーに配布しておき、あらかじめ目を通しておいてもらうことが重要です。
そうすることで、会議の円滑な進行につながります。

また会議は時間通りに開始し、時間通りに終えることが重要です。
チームメンバー全員に参加してもらうということは、それだけの工数を割いているということであり、時間に対する意識を高く持っておくことが大切です。
時間もコストの一部ですから、生産性を高めていくという点においても、時間を意識して行動することは、プロジェクト開始後も重要なテーマとなっていきます。

また、会議では開かれたコミュニケーションを奨励し、各メンバーに発言の機会を与えることも大切です。
プロジェクトをより効率的に進めていくためにも、各人のアイデアをアウトプットしてもらうことで、より良い条件で作業を行えるように工夫していくべきです。
当然、マネージャーの経験などからくる方針もあるでしょうが、メンバーからの意見に関しては是々非々で採り入れるかどうかを決めるのが良いでしょう。
最終的なゴールはプロジェクトを完成させ、納品することなので、そのプロセスにおいて良いものは採り入れていく姿勢を示すことも、マネージャーとしての腕の見せ所となります。

また、現行のプロジェクト計画に反論がある場合は、それについて取り上げ、可能な限り解決しておくことです。
解決というのは、必ずしも提案者の意見を採用するというわけではなく、折衷案や元の計画でいくにしても、最終的に合意を取り付けてプロジェクトをスタートさせることが大切です。
わだかまりが残ったままプロジェクトを開始してしまうと、その部分がひずみとなり、後々プロジェクトに悪影響を及ぼす可能性があるので、計画に関しては徹底的に話し合っておくことが重要です。

意思決定を行う際には、以下の手順で進めていくと良いでしょう。

  1. 問題点と解決策について全員で話し合う
  2. 1人の参加者に議論を独占させない
  3. 意思決定できる準備はできているかどうかを判断する
  4. 意思決定を行う
  5. 役割と責任を明確にする

 

プロジェクト会議では、メンバー全員に「チーム」であることを肝に銘じてもらうことも重要です。
チームとして活動していく上で大切な、以下の4点を改めて認識してもらう場にしましょう。

  • チームでは、自分以外の人間ともコミュニケーションを取る必要がある。
  • 問題の特定と解決は一緒に行い、結果を受け入れること。決定事項は支持し、異論がある場合でも決定後は文句を言わない。
  • 1人のミスがチーム全体に影響するので、できる限りミスを避け、ミスが発生した場合は周りのメンバーがカバーする。
  • プロジェクト計画は変更されるものだと認識しておく。計画が変更になった場合でも文句を言わず、柔軟に対応する。

当たり前のことと言えば当たり前かもしれませんが、上記のことを実施するのは簡単ではありません。
チームがチームとして動いていくためには、一人ひとりの心がけが重要になってきます。
少しでも不満が出てくると、そこからプロジェクトは大きく傾いてしまう可能性があるので、未然に防げるものは防ぐためにも、チーム内で普段から適切なコミュニケーションを取っておくことが大切です。

1対1の面談を有効活用して、プロジェクトを成功へと導く

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プロジェクトマネージャーは、キックオフやプロジェクト会議とは別に、主要なメンバーと1対1で面談をし、各人と必要事項を確認し合う必要があります。

全員と1対1の面談を行うわけではなく、主要メンバーのみと行うことで、そのメンバーたちにリーダー意識を芽生えさせて、プロジェクトを共に主導する立場にあるのだということを確認してもらう目的もあります。

1対1の面談では、事細かくプロジェクト詳細について話し合う必要はなく、優先事項と、スケジュールや計画について大まかに話し合います。
プロジェクト全体で山場になりそうなところを確認し、リスクヘッジを検討します。

特に大型のプロジェクトについては、プロジェクト内の小さな単位でリーダーを決め、その人に、小さな単位での会議を開催してもらうなどの対応も必要になってくるでしょう。
全員がリーダー意識を持ってプロジェクトに臨んでくれれば、それ以上のことはありませんが、なかなかそうもいかないので、マネージャーが各リーダーを任命するのが良いでしょう。

1対1の面談はプロジェクト開始前だけではなく、プロジェクト期間中も定期的に実施していくことで、適切なコミュニケーションを図ることが大切です。
特に大きな問題がなさそうでも、近況を確認し合うことで、未然にリスクを防ぐことにつながり、プロジェクトの安定稼動につながります。

1対1の面談で心がけることは「正しい期待を設定すること」です。
メンバー一人ひとりに期待することは当然ですが、その中でもリーダーシップを取って、引っ張っていってもらいたいと思うメンバーをいかに動かすかで、プロジェクトの成否は決まってくると言っても過言ではありません。

そういった意味で、主要メンバーにどういう役割を求めていて、具体的にどういった成果を期待しているのかを適切に説明することで、上手くリーダーシップを発揮してもらうことが重要です。
そのためにも、プロジェクトマネージャーはプロジェクトが目指すべき最終成果を適切に検討し、そこから逆算して各リーダーに期待することを、要所で的確に伝えていくことが大切です。

まとめ

プロジェクトキックオフから、プロジェクト会議に至るまでの一連の流れについてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
プロジェクトは開始前の段階から、すでに大きく動き始めているということをご理解いただけたのではないでしょうか。

プロジェクト期間中のメンバーの働きも当然重要ですが、その前の段階で、キックオフや第一回プロジェクト会議の段階から、すでに勝負は始まっているということです。
メンバーを正しい方向に導いていくためにも、スタートの段階で各人の意識を一つの目標に向かわせることが大切です。

一人ひとりの働きがプロジェクトの成否につながってくるので、どういった声かけや、どのタイミングで話しかけるのが適切なのかも探りながら、良いコミュニケーションを取ることが重要です。
その結果、チームとして一つのゴールに向かうことができれば、プロジェクトは順調に進んでいくでしょう。

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