ビジネスを行っていく上で、プロジェクト管理や工数管理、タスク管理といった管理業務の重要性が声高に叫ばれて久しいですが、そういった管理業務の手助けとなるのが、ガントチャートです。
国内外を合わせると数多くのガントチャートツールが存在しますが、その中でも選りすぐりのガントチャートツールを6選に絞ってご紹介していきます。
今後、プロジェクト管理を行っていく上で、ガントチャートの導入、運用を検討されている場合には最適な記事となっています。
ガントチャートで実現できることをはじめ、各ツールの概要、メリット、デメリットについてまとめていますので、参考にしていただければ幸いです。
※2019年9月17日更新
目次
1.ガントチャートで何が実現する?
今や、プロジェクト管理において欠かせない存在であるガントチャート、普段エクセルでガントチャートを作成している方も多いかと思います。
しかし、エクセルだと共有・共同作業が難しいことで、進捗管理がなかなか進まないという課題もあるのではないでしょうか?
そもそもガントチャートとは何か?という基本的な解説から、国内外の主要フリーガントチャートをまとめてみました。
1-1.ガントチャートとは
ビジネスにおいて、横棒が無数に並ぶ管理表を誰もが目にしたことがあると思いますが、あれがまさにガントチャートです。
左側の縦軸にタスク、そして上部の横軸に日程を置き、各タスクの進捗具合を記録していくことで、プロジェクト全体の進捗を把握することができます。
ちなみにガントチャートの誕生は、1903年に発表されたヘンリー・L・ガントの論文がもとになっています。
彼は、製造業におけるプロセス管理をスケジュール表のようにすることで、理論的な管理の導入を推進していきました。
ガントが亡くなった3年後の1922年、ガントの部下であったウォーレス・クラークが「ガントチャート」と呼ばれる著書を出版し、ここからガントチャートが広く浸透していったと言われています。
1-2.ガントチャートのメリット
企業が一つのプロジェクトを遂行するためには、まずタスクを洗い出し、割り振り、適切に管理し、さらに途中で発生したタスクの管理まで行う必要があります。
もちろん、各タスクは「いずれ」ではなく、それぞれにしっかりと期日を設け、論理的に組み立てられたスケジュールが必要となります。
ガントチャートは、そんなプロジェクト管理において、最適な管理手法なのです。
横軸に描かれたスケジュールによって、プロジェクトの進捗具合を一目で確認することができます。
また、各タスクの達成度合や遅れも常に把握できるため、適宜スケジュールの調整が可能となります。
さらに、ガントチャートはプロジェクト全体のスケジューリングだけでなく、個人のタスクを管理するという点でも適しています。
このように、ガントチャートを利用することで、プロジェクト全体の管理から部門ごとの管理、個人の管理までを適切に行うことができるようになります。
1-3.脱エクセルガントチャート
エクセルでガントチャートを作成したことがある方ならわかるかもしれませんが、一からガントチャートを作るのはなかなか骨の折れる作業です。
罫線を引いたり背景色を変更したり書式を変えたりと、ガントチャートを作成するだけでも多くの時間を取られてしまいます。
さらに、エクセルだとメンバー間の共有が難しいことも難点として挙げられます。
そこでおすすめしたいのが、フリーで利用できるガントチャートツールです。
次段落から、ビジネスで利用できるフリーガントチャートツールを6つ紹介するので、是非参考にして下さい。
2.国内フリーガントチャートツール3選
2-1.みんなでガント.com
みんなでガント.comはWebベースで提供されているフリーガントチャートツールです。
<メリット>
まず、Webベースで提供されているので、共有が非常に簡単です。
作成したガントチャートのURLを配布すれば、誰でもアクセス&編集できます。
また、フリーながら多機能なことも魅力的です。
データのCSVインポート&エクスポートや、簡易SNSメッセージにも対応しており、マイルストーンの作成もできるのでプロジェクト管理を行いやすいツールです。
<デメリット>
デメリットとしては、セキュリティ面での不安が挙げられます。
みんなでガント.com有償版ではSSL暗号化に対応しているものの、フリー版ではセキュリティが弱いと言えます。
従って、重要度の高いプロジェクトに関しては課金して利用するのが無難でしょう。
2-2.Brabio
Brabioは「エクセルの10倍速くガントチャートが作れる」というコンセプトの通り、とにかくサクサク表を作成できるフリーガントチャートツールです。
<メリット>
Brabioのメリットはガントチャートをサクサク作成できるのはもちろん、何と言っても無制限にプロジェクトを作成できるところにあります。
フリーで提供されているガントチャートツールは、基本的に作成できるプロジェクトに限りがあるのですが、Brabioならそのような制限がありません。
強いて言えば、フリー版で提供されているストレージが50MBなので、その範囲内に収まればいくらでもプロジェクトを作成できます。
<デメリット>
デメリットとしては多機能であるがゆえに、慣れるまでに多少の時間がかかることが挙げられます。
しかし、裏を返せばそれだけガントチャート利用の幅が広がるということなので、メリットとして捉えることもできます。
2-3.クラウドログ
クラウドログは工数管理に特化したクラウド型のプロジェクト管理ツールです。
<メリット>
クラウドログはシンプルで分かりやすいユーザーインターフェイスを搭載しており、ドラッグ・アンド・ドロップで簡単に工数を登録することができます。
ガントチャートもドラッグ・アンド・ドロップで簡単に作成を行うことができ、工数管理とプロジェクト管理を同時に行えることも特長です。
作成できるプロジェクトの個数に制限はなく、作業別や工程別、企業別、商品別などカテゴライズして工数管理ができるのも嬉しいポイントです。
また、出力できるレポートも豊富でプロジェクトの進捗報告やプロジェクトの評価を容易に行うことができます。
完全にフリーではありませんが、14日間の無料トライアルがあるので、ツールの使い勝手を十分に試せます。
プロジェクト管理と同時に工数管理まで行いたい方にはおすすめのツールと言えます。
<デメリット>
基本フリー+オプション課金という料金体系ではなく、定額制のサービスであるためランニングコストがかかります。
自社の求める機能があるかどうかで購入を判断する必要があるでしょう。
以上が、国内のフリーガントチャートツールとなりますが、いずれも無料版・有償版どちらも提供されているツールです。
無料版で使い込むこともできますが、より高度な機能を利用するためには、やはり有償版へのアップグレードが必要になるでしょう。
3.海外のフリーガントチャートツール3選
3-1.GANTTplanner
GANTTplannerはGoogleカレンダーとの同期に視点を置いたフリーガントチャートツールです。
<メリット>
世界中に多くのユーザーが存在するGoogleカレンダーですが、Googleカレンダーに登録した予定をそのままガントチャートに落とし込むことができれば、これほど業務効率化になることはありません。
GANTTplannerは、そのようなGoogleカレンダーユーザーの要望を叶えたツールです。
双方からの同期が可能なので、これまで以上にプロジェクト管理が捗ることは間違いないでしょう。
<デメリット>
デメリットとしては、無料版だと共有機能がないことでしょう。
他者と共有したい場合は課金する必要があるので、無料版では個人的なタスク管理におすすめです。
3-2.Gantter
Gantterは、多数のプラットフォームに対応しているフリーガントチャートツールです。
<メリット>
Googleドライブ、ドロップボックス、Oneドライブなど、Gantterは各オンラインストレージへのデータ保存が可能な数少ないガントチャートツールです。
最近では、「Gantter for Google Drive」と呼ばれるGoogleドライブ専用のアプリが提供されています。
Google Chromeアプリ、Androidアプリ、Google Appsに対応しているので、Googleサービスを多く利用している方には大きなメリットとなるでしょう。
<デメリット>
UIがMS Project(Microsoftが提供するプロジェクト管理ツール)にかなり近いため、MS Projectの使用感に抵抗がある方にはおすすめできません。
3-4.Tom’s planner
Tom’s plannerは、Webベースで提供されているフリーガントチャートツールです。
<メリット>
Tom’s plannerには、無数のテンプレートが用意されていて、ビジネスシーンのみならずプライベートシーンでも活用できるガントチャートツールです。
また、テンプレートがあるので初心者にもおすすめです。
<デメリット>
デメリットとしては、無料版で作成できるプロジェクトは1つだけということです。
プライベートシーンならまだしも、ビジネスシーンでは複数プロジェクトが作成できないのは、難点と言えます。
まとめ
ガントチャートで実現できることをはじめとして、国内外のフリーガントチャートツールについてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
これまでエクセルでガントチャートを作成していた方や、エクセルが苦手でガントチャートツールを使ったことがないという方も、是非本記事で紹介したツールを利用してみてください。
人から聞くことも大事ですが、まずは実際に利用してみることで理解が深まるので、ガントチャートを使ってみようと思ったら、フリーのツールから利用してみることが得策でしょう。
その上で、社内の管理体制に見合ったツールや予算に見合うツールの導入を検討するのが良いでしょう。