プロジェクト管理で必要な見える化 ~見える化による改善点の洗い出し~

プロジェクト管理 見える化 改善点

プロジェクトの“見える化”と題して、その重要性やさまざまな管理、見える化に役立つ製品の紹介を行っていきます。

プロジェクト管理を行っている組織や企業は多いと思いますが、実際にどれほどの効果を得られているかを検証する機会はそれほど多くないのではないでしょうか。

日々の業務に振り回されてしまい、なかなか効果検証までたどりつかないといった声も聞こえてきそうです。
そういった中で、改めてプロジェクトの見える化を行い、それを改善につなげていくことの重要性をご認識いただければ幸いです。

プロジェクト管理をさらに次段階に引き上げていくための考え方として、見える化を推進していくと、さらに発展性のある管理を実現することができるでしょう。

プロジェクト管理を円滑に行うには、“見える化”が重要

プロジェクト管理 見える化 改善点

プロジェクト管理は、プロジェクトだけでなく、経営においても大切です。
経営のために行われるプロジェクトの見える化において、ステークホルダーは、PMO(Project Management Office)、経営層、他の部門などについて考慮することが必要となります。

プロジェクトを立ち上げる際には、WBS(Work Breakdown Structure)によって展開されたタスク、PMBOK(Project Management Body of Knowledge)に準じるプロジェクト管理が重要で、これまでの実績から有効なデータを参考にして利用することがポイントです。

PMBOKは、米国プロジェクトマネジメント協会が発行するプロジェクトマネジメント知識体系ガイドで、PMI日本支部からは日本語版が発行されています。
要因計画によって従業員に関する情報を取得することができ、調達計画から協力会社となるメンバーのスキル・単価、リスク管理から実際に発生したリスクに対する費用・対応などの情報を把握することによって、見積りの精度を向上させることが可能となります。

プロジェクト実行の際には、プロジェクトにおけるフェーズ単位での管理が行われることが一般的です。
EVM(Earned Value Management)を利用する場合は、プロジェクトが長期にわたるケースでは、誤差が多くなって制御が難しくなります。
フェーズ単位による管理も、長期になると、フェーズを全体的に見ることが困難となり、最後に遅れが生じたり、品質に関わる問題が発生したりする可能性があります。

進捗管理は月単位で、メンバーからの報告は週単位で行うなど、信頼性を向上させるための管理を行うことで、EVMを利用してプロジェクトの評価を行うといった方法もあります。
管理が向上することで、ステークホルダーとの関係性もより良いものとなります。

経営者にとっては、プロジェクトと収益の向上が判断基準となり、現状維持も大切ですが、次へつながる改善が重要となります。
収益を向上させるプロジェクトに向けた要員計画、優秀な要員を確保することや、教育・指導を充実させることもポイントとなります。

プロジェクトの見える化が重要

進捗管理は、メンバーそれぞれが理解し、賛同できる計画であることが望ましいと言えます。
そのために必要なことが、プロジェクトの見える化です。
プロジェクトを見える化しておくことで、計画通りに作業が進まないケースなど、早急な分析が必要なケースで改善につながりやすくなります。

策定した計画をメンバーに開示し、メンバーの進捗状況をいつでも確認できるようにし、定期的あるいは何か気づいた時点で分析を行うといった指導が必要となります。
情報提供や共有、状況の把握を行うためにも、見える化が重要と言えます。
プロジェクトのゴールをメンバーが把握することで、状況に応じて軌道修正を行うことも可能です。

プロジェクトの見える化を実現するためには

プロジェクト管理 見える化 改善点

企業内の各業務を、プロジェクトとして管理を行う方法があります。
EPM(Enterprise Project Management)は、そのメリットを明確にします。

1.タスク管理
日常における作業内容をWBSによって、タスクとして洗い出しや整理を行うことができます。

2.コスト管理
どのような作業に、どのくらいの費用が必要とされているか、明確に見える化することができます。

3.スケジュール管理
作業の予定、進捗状況を把握することができます。

4.品質管理
作業を進めるにあたって、課題を洗い出すことで対処が可能となります。

5.コミュニケーション管理
現場からの質問や回答、要望など、情報共有を行うことができます。

6.要員管理
各作業に対する要員について把握し、要員の負荷を調整することができます。

EPMの実践には、ツールの利用が合理的と言えます。
各業務を効率的にプロジェクトとして管理することが可能で、余分な時間や労力を使うことなく情報共有されるシステムが適しています。
EPMの場合、それまでプロジェクトという概念に不慣れだった部門も管理の対象となります。

アプローチとして、特定の部門からスタートし、成果をもとに対象とする部門を広げていくといった方法もあります。
EPMの概念に沿ったプロジェクトを統括で管理し、優先順位や方向性を定めるため、PPM(Project Portfolio Management)の取入れが重要となります。

会社の全体的なプロジェクトが、どのように経営に影響するか、会社の方向性に合った資源の投資が実行されているかなど、プロジェクト管理の見える化が重要となります。
単体のプロジェクトに対するPMBOKの考え方から、複数のプロジェクトを対象とするEPMやPPMにより、全体効率を向上させることができます。
PPMの概念を取り入れる場合、責任者や経営層に対して具体的な活用まで提案することによって、実践への道が拓かれていくでしょう。

最終的に求められるコストに関しては、EV(Earned Value)・PV(Planned Value)・AC(Actual Cost)・BAC(Budget At Completion)によって判断することができます。
EVは現時点における実績値、PVは計画上の出来高、ACは実際にかかった実績で、計画通りであればPVと等しい値となります。
BACは、プロジェクト完了までに要する総予算です。

これらが、EVMの指標となります。
プロジェクト管理ツールに、EVM分析機能が搭載されたものもあります。
プロジェクトに必要となる管理機能や、見える化が実現できる機能など、プロジェクト管理を支援するツールが研究・開発されています。

プロジェクトの見える化に役立つ管理ツール2選

プロジェクト管理 見える化 改善点

Sciforma / サイフォーマ株式会社

Best Overall Value Awardを受賞したSciformaは、プロジェクトの見える化によって、想定外の遅延やリソース不足などに、早期に対応することができます。
用途に合わせて、即座に使用でき、互換性も保証しているエクステンションが用意されています。

エクステンションは、プロジェクト管理・予算管理・ポートフォリオ管理・リスク管理・リソース管理・新製品管理・デマンド管理・アジャイル・変更要求です。

プロジェクトを定義し、コスト・成果物・リソースを含めた計画や調整、モニタリングを行い、目標とする結果へ導くことができます。
プロジェクトの見える化によって、リスクを抑制することが可能です。
プロジェクトのパフォーマンスと質について、追跡とレポートが提供されます。

メリット

簡単に、既存システムと連携させることができます。
エクステンションにより、ライセンスコストも抑えられ、トレーニングも短期間で終えることができます。

デメリット

参考価格は、問い合わせが必要となります。
Sciformaを詳しく紹介するウェビナーは英語対応のため、日本語での依頼はメール、または電話での問い合わせが必要となります。

SI Object Browser PM / 株式会社システムインテグレータ

開発支援ツール徹底調査で第1位となった、統合型プロジェクト管理ツールです。
PMBOKに準拠した、世界でも貴重なツールとなります。

EVMによって、直感的に状況を把握することができます。
原価とEVMを比較しながら、プロジェクトの進捗管理を行うことが可能となっています。

メンバーは、担当しているタスクの進捗と、プロジェクト工数を入力するだけで、状況の見える化が実現します。
オンプレミス版の場合、20ライセンスで\2,520,000、1年間の保守は\504,000となります。

クラウド版の場合、20ライセンスで\130,000、保守費用は利用料に含まれます。
記載価格は全て消費税を含みません。

メリット

保守サポートサービスにより、常に最新バージョンを利用できます。
ステークホルダーが必要に応じて、時間や場所を問わずアクセス可能となっています。
PMOが定期的にチェックを行い、改善を促すことや、トップへ報告することができます。

Q&A機能や課題管理機能、障害管理機能の利用によって、メンバー間のコミュニケーションを図ることができます。
ライセンス数が増える程、1ライセンスあたりの価格は下がります。

デメリット

契約条件は20ライセンスからで、1年間は継続が必要です。
ライセンス費用とは別に、導入支援サービスが必要となります。

まとめ

プロジェクト管理における“見える化”について、その重要性やさまざまな管理、製品などをご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。

プロジェクトの見える化と一言で言っても、実際にはやるべきことが多くあり、それら一つ一つを確実にこなしていく必要があります。

そういった一つ一つの管理を通して、総合的にプロジェクトの見える化が可能となっていきます。

まずは、プロジェクト管理を通じて、改善できる部分を洗い出すことから開始して、徐々にその精度を高めていくことが大切だと言えます。

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