インストール型とサーバ設置型とクラウド型(SaaS/ASP型)製品のメリット・デメリット比較!見やすい比較表つき!

工数 管理 インストールインターネット上にはさまざまな製品がありますが、その中で本記事では、サービス提供形態の視点から各々の製品の特徴について紹介していきます。

主に、PCにインストールを行う「インストール型」、導入企業・団体様で準備したサーバーにソフトウェアを設置する「サーバ設置型」、必要な量を必要なだけ利用する「クラウド型(SaaS/ASP型)」の3つの提供形態が存在します。

それぞれの提供形態にメリット・デメリットがあり、価格面でも考え方が大きく違います。
いずれかの提供形態が優れているということではなく、どの提供形態が適しているのか吟味していただくことが重要です。

インストール型の概要

インストール型は、利用しているPC(パソコン)に専用のソフトウェアをインストールする形態です。

利用にあたっては、インストールする台数に応じた導入費用や保守費用がかかることが一般的であり、比較的導入に対するハードルが高い形態という特徴があります。

インストール型の特徴

導入時のリスク

利用しているPCに専用のソフトウェアをインストールするため、PCのスペックや環境が統一されていない場合にはインストールできない可能性があります。
一方で、ネットの通信環境につながっていなくても利用できるというメリットもあります。

インストールに専門知識が必要

PCにソフトウェアをインストールするには、専門的な知識を持った技術者でないと難しい場合もあります。
ただし、最近では容易にインストールできる製品も増加傾向にあります。
また、より高度な管理・分析を行いたい場合に、ソフト間の連携の幅が広いです。

柔軟なカスタマイズが可能

柔軟にカスタマイズできるので、必要とする機能を実装できます。
その反面、サーバーへのインストールや設定が複雑で大変です。

複数事業体での利用

複数の法人を持っている場合や、法人事業と個人事業を同時に行っている場合、複数の事業主体で利用しても追加料金が発生しません。
複数拠点での利用の場合には、拠点間のネットワークが必要になることもあります。

バージョンアップ

インストール型ではバージョンアップに未対応の場合があります。
長期的に利用する場合は、製品が新しいPCのスペックやOSに対応していない場合があり、動作しない可能性もあります。
また、バージョンアップに対応していたとしても、新しいバージョンを利用する場合に別途費用が発生することも少なくありません。

バックアップ

インストール型では独自にバックアップの仕組みを設置しなければならないため、バックアップのための手間や機器代が発生します。

初期投資が必要

インストール型の製品では、導入時にソフトウェアの費用が発生することが一般的です。
そのため、初期投資が大きくなる傾向にあります。ただし、長期的に利用する場合はトータルコストが低くなる可能性があります。
多くの場合、導入時に一括で契約を結びますので、ランニングコストはかかりません。

保守費用

費用は導入時に一括支払であっても、保守費用が発生するケースがあります。
例えば2年目以降は保守費用が必要であったり、サポートが有料である場合があります。

セキュリティが強固

インフラを内部で管理することができるので、セキュリティ面では安全性が高いです。

利用しなくなったPCではアンインストールが必要

多くの製品においてはインストールしたPCの数によって価格が決まるため、ツールを利用しなくなったメンバーやPCの乗り換えなどの際には、ソフトウェアをアンインストールする手間がかかります。
また、アンインストールをしていない場合には、余計な費用が発生することがあります。

ツール解約時にはアンインストールが必要

ツールを解約する際には、すべてのPCからソフトウェアをアンインストールしなければならないため、膨大な手間がかかります。

サーバ設置型の概要

工数 管理 サーバ導入企業・団体様が独自にサーバーを準備し、そのサーバーにソフトウェアを設置するタイプの提供形態です。

導入にあたっては、サーバーやネットワークを準備しなければならないため、導入に対するハードルが非常に高い形態という特徴があります。

 

 

サーバ設置型の特徴

導入期間

導入にあたっては、データセンターを借りてサーバーを設置する必要があるため、導入に時間がかかります。

設置に専門知識が必要

サーバーにソフトウェアを設置するには、専門的な知識を持った技術者でないと難しいでしょう。

設置には別途費用が発生する

データセンターやサーバー代だけでなく、サーバーOSやデータベースに費用が発生する場合もあります。

複数拠点での利用

サーバ⇔各拠点のネットワークを持っていれば、複数拠点間でも容易に利用できます。

柔軟なカスタマイズが可能

柔軟にカスタマイズできるので、仕様を含めて必要とする機能を実装できます。
その反面、サーバーへのインストールや設定が複雑で大変です。

バージョンアップ

サーバー設置型では、バージョンアップの際には技術者がサーバーに再度ソフトウェアを設置する必要があります。
バージョンアップの手間がかかるだけでなく、ソフトウェアの設置で障害が発生したり、バージョンアップのために数日利用を停止しなければならないこともあります。
また、バージョンアップされたソフトウェアの利用に、別途費用が発生するケースもあります。

セキュリティが強固

自社サーバーでシステムを組めるので、高度なセキュリティ環境を構築することができます。

バックアップ

サーバー設置型では独自にバックアップの仕組みを設置しなければならないため、バックアップのための手間や機器代が発生します。

初期投資が必要

サーバー設置型の製品では、導入時にデータセンターの費用やサーバー購入の費用が発生するため、初期投資が非常に大きくなります。
製品自体の費用が少ないとしても、製品に必要な環境を準備するコストが高いと言えるでしょう。
ただし、長期的に安定して運用できるノウハウがあればトータルコストが非常に抑えられます。

保守費用

ソフトウェアの費用は導入時に一括支払であっても、保守費用が発生するケースがあります。
例えば2年目以降は保守費用が必要であったり、サポートが有料である場合があります。

ツール解約時にはサーバーが無駄に

ツールを解約する際には、利用していたサーバーが必要なくなりますので、資産が有効活用できず無駄になってしまいます。

クラウド型(SaaS/ASP)の概要

クラウド型(SaaS/ASP型)とは、サーバーやソフトウェアの保守等の業務を行わず、必要な量を必要なだけ購入する形態です。

一般的には、ブラウザを使ってツールにアクセスする形態です。

利用にあたっては、初期設定費用と利用期間中の月額費用での利用という提供が一般的であり、初期投資が少なくて済むという特徴があります。

サーバーやソフトウェアの保守などの業務全体をアウトソーシングしていますので、利用している間は月額費用を支払い続ける必要があります。

クラウド型(SaaS/ASP)の特徴

プロジェクト 管理 クラウド SaaS/ASP

導入が容易

簡単に利用を開始でき、また導入企業・団体様でのメンテナンスコストもほとんどかからない形態になります。
サーバーの構築・管理・監視・メンテナンス等は不要です。
ブラウザでの利用となるので、複数拠点でも容易に運用可能です。

導入コストが小さい

クラウド(SaaS/ASP)形態の場合は、初期設定費用と月額費用での利用という提供が一般的です。
毎月利用料を払うため、月々の料金は非常に低額です。
月額費用が低額のため、最低利用期間を設けている場合もあります。

サーバーは他社と共有

サーバーを複数の会社で共有で利用するため、セキュリティ面で他の2つのタイプと比べると見劣りします。

カスタマイズが行いにくい

基本的にどのような業種・業態でも利用できるように設計・構築されています。
つまり、業界特有の就業ルールや運用規則には対応できないこともあるので、無料トライアル等で、実運用が可能かどうか検討する必要があります。

インターフェースに制約がある

ブラウザベースの画面になりますので、インストールタイプのものに比べるとインターフェースが劣るケースが多いです。
ただし、テクノロジーの進化と共に日々インターフェースが改善されており、最近はインストール型のものと遜色ないインターフェースを持つ製品も多く存在しています。
Internet Explorer・Google Chrome・FireFoxなど有名なブラウザには対応していますので、特別な環境が必要ないという点で導入時のトラブルが非常に少ないです。

サービスが多いので、比較検討に時間がかかる

クラウド型の製品は、似たような機能で多くの製品が混在しているため、最終的な意思決定まで時間を要することが多くなります。
導入してみてやっぱり違ったなどということがないように、無料トライアル等を利用して慎重に検討することが求められます。

サポート体制にばらつきがある

安価なサービスの場合はサポートがない場合や、サポートがあってもメールや電話等での必要最低限な場合が多いので、注意が必要です。

解約も容易

解約する場合には、電話やメールで終了の希望を提供企業に連絡するだけで終了する場合がほとんどですので、解約コストも非常に小さくて済みます。
ただし、3ヶ月契約等の最低利用期間を設定している製品も多くあります。

バージョンアップ

クラウド(SaaS/ASP)形態の場合、自動でバージョンアップがある製品もあります。
追加費用が発生することなく定期的に機能が増えていく製品は、非常に魅力的といえます。

バックアップ

クラウド(SaaS/ASP)形態では、バックアップも含まれている製品もあります。
バックアップにかかる手間を省けるだけでなく、バックアップに必要な機器を準備する必要もありません。

まとめ

3形態の比較表

インストール型 サーバ設置型 クラウド型
導入時 PCのスペックや環境の統一が必須 データセンターを借りてサーバーを設置するため、時間がかかる 容易に導入可能、メンテナンスコストもほとんどかからない
専門知識 インストールに専門知識が必要
※最近では、容易にインストール可能な製品も増加
専門的な知識を持った技術者でないと、設置は困難 導入に際しての専門知識はほぼ不要
初期コスト 導入時の初期コストは高め
※長期的に利用する場合のトータルコストは低くなる可能性あり
データセンターやサーバー代の他、サーバーOSやデータベースにも費用が発生 月額費用を払うのが一般的なので、初期コストは低い
複数拠点 拠点間のネットワークが必要になる可能性あり サーバ⇔拠点のネットーワークがあれば容易に運用可能 ブラウザでの利用となるので、容易に運用可能
カスタマイズ 仕様を含めて、柔軟なカスタマイズ対応が可能 仕様を含めて、柔軟なカスタマイズ対応が可能 個別のカスタマイズに関しては、実現可能性・費用等を含めてサービス提供者と要相談
バージョンアップ バージョンアップに対応していないケースがほとんど。対応の場合は別途費用が必要 技術者がサーバーに再度ソフトウェアを設置する必要がある。別途費用がかかるケースもあり 自動でバージョンアップ。
サービス提供者が行うため費用は発生しない
バックアップ 独自の仕組みが必要。バックアップのための手間や機器代が発生 独自の仕組みが必要。バックアップのための手間や機器代が発生 契約にバックアップも含まれている製品もある。その場合、利用者側で手間をかけることも機器の準備も不要
セキュリティ 高度なセキュリティ環境を構築できる 高度なセキュリティ環境を構築できる サーバーを複数社で共有するため、他の2タイプと比べて若干見劣りする
保守費用 保守費用は別途必要なケースあり。利用に対するサポートが有償のケースは多い 保守費用は別途必要なケースあり。利用に対するサポートが有償のケースは多い 保守費用は月額料金に含まれているケースが多い
サポート体制 別途契約が必要なこともあるが、サポートは手厚いケースが多い 別途契約が必要なこともあるが、サポートは手厚いケースが多い 安価な製品については、必要最低限のサポートにとどまる
解約時 すべてのPCからソフトウェアをアンインストールする必要があるので、手間がかかる 利用していたサーバーが無駄になる 解約は容易。解約コストもほとんどかからない
※最低利用期間を設定している製品も多い

総評

導入の際には、利用期間や利用者人数、カスタマイズの有無を中心に検討するのが良いでしょう。

利用期間は考えずに、何かしらの製品を導入して取り組みを開始しようと言うのであれば、間違いなくクラウド型の製品がお勧めです。

それは、万一利用を辞めることになった場合でも、比較的コストを抑えることができるからです。
反対に見切り発車でインストール型やサーバ設置型のサービスを利用するのは、リスクが高いと言えます。

さまざまな製品を検討したうえで、5年~10年といった長期的なスパンで一つの製品を利用すると言うことであれば、サーバ設置型やインストール型もお勧めです。

利用者数に関しては1000人を目安に考えると良いでしょう。1000人程度かそれを上回るようであれば、オンプレミス型やインストール型を利用する方がメリットが大きいと言えます。
反対に1000人以下であれば、クラウド型製品の利用検討余地もあります。

また、カスタマイズの点においては、サーバ設置型インストール型の方が柔軟に対応してもらえるケースが多いでしょう。
企業ごとに個別の機能を取り入れてサービスを提供している製品も多くありますので、ニーズがはっきりとしていて、長期的に利用するということであれば、どちらかの提供形態の製品を利用する価値があると言えます。

カスタマイズの点において、クラウド型の製品では、実現可能性について確実なことは言えないでしょう。
一般的にクラウド型製品の場合は、広く普遍的な機能を提供することを追求していますので、個別の企業に対応した機能を独自でカスタマイズするというケースは珍しいと言えます。

しかし、場合によっては対応可能なケースもあるので、要望があればサービス提供者に連絡するのが良いでしょう。
要望通りにいかない場合でも、代替機能を提供してくれるケースもあります。

これまでご紹介してきた指標はあくまで目安ですので、最終的に実現したいことや投資コストを優先して、各組織に合った製品を導入することが一番です。

どういったニーズを持って、どのくらいの期間利用する予定なのか鑑みて、製品を検討することが、サービス利用者側に求められる資質と言えます。

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