工数管理を行う上でなぜ原価管理が重要なのか!ポイントを徹底解説!

工数 管理 スキル

今回は、工数管理を行っていく上で必要となる知識についてご紹介します。
工数管理を行っていく上では、社員の工数を把握するだけでなく、周辺の知識や考え方も必要となってきます。

費用対効果を最大限高めるという点においては、原価の知識やその管理スキル等も大事になってきます。
そういった点で、原価や原価管理の考え方についての見識を深めておくことは、重要なポイントと言えます。

工数管理を進めるにあたっては、工数の考え方やプロジェクト管理だけでなく、コスト全般やタスク管理等、多様な知識や手法が必要となりますので、工数管理につながる考え方をご紹介していきます。

原価管理とは

原価管理の概要

工数 プロジェクト 管理 コスト タスク

まず、原価管理の説明に入る前に原価について簡単におさらいしておきましょう。
原価とは、製品1個あたりにかかった費用、コストのことです。
これに生産数量を掛けて、材料費、人件費(直接、間接両方を含む)等を原価と呼ぶ場合もあります。

それでは本題の原価管理について考えていきましょう。まず原価管理を行うことの最大のメリットは「売上―原価=利益」という図式において、利益を上げる可能性を最大化するということです。
どんな作業にも必ず効果やメリットがあり、原価管理のメリットが利益を上げるということになります。

かつて大蔵省(現財務省)が制定した原価制定基準を噛み砕くと、原価の標準を設定して、それに対する原価の実際の発生額を計算し、その差異(設定した原価標準―実際の原価費)を比較し、その要因を分析して原価能率を増進する措置を講ずることだと言えます。

原価管理における分析の重要性

簡単に言えば、想定していた原価(想定原価)と実際にかかった原価(実際原価)を比較して、想定が実際を上回っていたのか、下回っていたのかの数値を明らかにすることです。
ここで重要なのが、その差異の分析です。

想定が上回っていた、下回っていたという結果に捉われるのは得策ではないでしょう。
「原価管理」というぐらいですので、それよりもなぜ想定が上回ったのか、あるいはなぜ想定を下回ったのかという分析を社内できちんと行い、その分析の結果を受けて次にどう活かすかが重要になってくるでしょう。

想定原価と実際原価があまりにもかけ離れていたのであれば、そもそも想定原価の見積りの段階で検討が甘かったのか、あるいは実際原価が思っていたよりも高かった(安かった)などといった検討ができるでしょう。

原価管理の実際

具体例でみる原価管理

原価 管理

例えば、実際原価が思っていたよりも高かったことが原因で、実際原価が想定原価より高くなったと仮定します。
その場合には、材料費が想定より高かった、あるいは間接人件費が高かった、つまり直接、製品の製造を行う者(主に自社の社員、パート、アルバイト等)以外のコストが高かったなどといった要因を考えることが可能です。

直接人件費は自社での管理・把握が比較的やりやすいとい言えるでしょう。
それに対して、例えば材料を運んでもらうための運送業者といった他者の人件費である間接人件費の場合、自社でのコントロールが難しい点もあるため、想定より高くなってしまうこともあるでしょう。

そういった場合に備えて、間接人件費はあらかじめ高めに設定しておくなどといった対策を講ずることが可能です。
そうすれば、何人体制で製品の製造に当たれば効率的かといったことや、役割分担においても、例えば営業を少なくするといった対策を行うことができます。

工数管理を行う上で、原価管理がなぜ重要なのかについての結論

つまり、さまざまなケースを想定して、それに対してどのような対策を行えば、利益を上げることができるのかという課題解決につなげるための第一歩が、原価管理なのです。
ひいてはそれが工数管理を行うことのモチベーションにもつながり、作業効率を高めることになります。

当然上記以外の要因もさまざまなことが考えられると思いますが、大切なのは常に分析を怠らず、その時点で最も良いと思われるやり方で管理を行っていくことです。
どうなれば正解や成功、どうなったら間違いや失敗といった基準はありません。

ですから、根気強く想定額と実際額の差異を計算して、それを分析して次につなげるというサイクルを地道に続けていくことが、長期的に見れば利益を生み出す可能性を高める方法だと言えるでしょう。

工程管理と工数管理

工程管理について

工程 管理 プロジェクト

工程管理とは、プロジェクト管理や生産管理などのために、効率的な生産を行うための作業手順や日程を決定したり、それぞれの工程ごとの進捗を管理したりすることです。
誰が何をいつまでに実行するのかを明確にし、人員や資源を効率的に運用することで、製品の品質を高め、コストを抑えることを目的としています。

作業計画やスケジュールを横型棒グラフで示した工程管理図をガントチャートと言います。
縦軸に作業やタスクをおき、横軸に期間や時間を示し、各作業の所要時間をそれに比例した長さの横棒で表します。

工程管理の利点として、各作業がいつ始まり、いつ終わるのかの予定がはっきりとしているため、スケジュールの把握がしやすいことがあります。
さらに作業実績を逐次記入していけば、計画と実績を即座に把握することができます。
そのため、土木・建築業や製造業では広く一般的に用いられる管理方法です。

何をすべきなのか、作業の手順をはっきりさせることができる一方、多くの作業が入り組んだ複雑な工程をガントチャートで管理しようとすると、作業それぞれの関係性がわかりにくく、どこに重点をおいて作業を進めれば良いのかの判断が難しくなってしまうという欠点があります。

また、何かの作業の進捗が遅れたりした場合に、それによる他の作業への影響の予測が難しく、計画と実績にずれが生じる事態や、計画変更に際しての柔軟性には大きく欠けることになります。

工程管理と工数管理の相違点

工程設計をすると、モノの生産のために必要な手順や時間、人員数などが決まるため、アウトプットの数値として工数が得られます。
ただし、工程設定の目的は工数を得ることではなく、作業の流れを明確にして効率を高めることです。

対して工数管理とは、誰がどの作業にどれだけ関わったか、そしてプロジェクトごとの利益を「見える化」することで、無駄や不足を出さないように管理するために行うものです。

まとめ

工数管理を行っていく上では、工数管理だけを行えば良いというものでもありません。
正確には工数管理を含めて、周辺の管理も適切に行っていくことで、生産性の向上、ひいては会社の売上・利益の増加を期待することができます。

まずは給料等も含めた社員一人一人の原価を適切に把握しておくことで、どの社員がどういった仕事や作業を担当すれば、効率的なのかといったことを判断する必要があります。

人に関わるコストは企業のあらゆるリソースの中で、非常に高価なものです。
その高価なリソースの扱い方いかんで、企業の業績は大きく変わってきますので、原価も考慮した上で工数管理を行っていくと、より管理の効果が出てくるでしょう。

高価かつ重要な人的リソースの活動を管理して、生産性を高めることは、企業経営者や事業マネージャーだけではなく、従業員一人一人が強く意識することが大切です。

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