【プロジェクト成功の鍵】強力なチームを作るための4つの秘訣!

プロジェクト管理 強いチーム 秘訣

プロジェクトを推進して成功に導いていくためには、必要なメンバーを集めなければなりません。
それも、ただ人数を合わせれば良いというものではなく、必要なスキルや能力を持ったメンバーを集める必要があります。

そのための手法として、4つの秘訣を紹介していきます。
大きなポイントとしては、メンバー集めの段階で、社内の同じ部署のメンバーだけでプロジェクトを回していけそうか、あるいは他部署から人材を借りる必要があるのか、それとも外部リソースを利用すべきなのかといった3段階で考えていくとわかりやすいでしょう。

本編をお読み頂き、強力なチームを作るための秘訣をご理解頂ければ幸いです。

1. 中核メンバーはプロジェクト全期間に参画する

プロジェクト管理 強いチーム 秘訣

プロジェクトチームのメンバー選考においては、各メンバーの知識とスキル、チームに対してどのような貢献が期待できるのかを慎重に検討する必要があります。
また、プロジェクトのどのフェーズ(段階)で、どの程度のスキルを持ったメンバーが何人必要なのかを検討しておくことも大切です。

例えば、実際の開発フェーズではメンバーの数が相当数必要になるでしょうが、計画フェーズではそれほどメンバー数は必要ないでしょう。
必要とするスキルも異なります。
例えば、プロジェクト開発フェーズでは、設計書を読み込みプログラミングやデータベースを扱うスキルが必要です。
一方で、プロジェクト計画フェーズではプロジェクトのことを全体的に見通して、技術的な知識はもちろん、日程や予算等を含めた計画策定スキルが必要になってきます。

そういった各フェーズにおいて、必要なスキルを持ったメンバーを適材適所に配置することができれば、プロジェクトは安定的に稼働していきます。
そのためのチーム編成の秘訣の1つが、プロジェクトの中核メンバーがビジネスを理解しているということです。
プロジェクトの方向性を見誤らないためにも、ビジネス分析に強いメンバーの存在は不可欠と言えます。
そういったメンバーを中心に、プロジェクトマネージャーと共に計画策定を行うことで、策定が順調に進みやすくなります。

中核メンバーは、最重要メンバーで構成し、プロジェクトの開始から終了まで参画してもらうように取り計らいます。
プロジェクトが1つのフェーズから次のフェーズに移行するにつれて、チームのメンバー構成が変わることもありますが、中核メンバーには全期間を通じてプロジェクトに関わってもらうことが重要です。

中核チームの編成に職位は必ずしも重要ではなく、大規模プロジェクトにおいては、スキルと経験の方が重要だということもあります。
チームをチームとして機能させるためには、例えばチームメンバーの席の並びに配慮し、一緒に働くメンバーを近くにすることで、コミュニケーションを取りやすくするといった細かい気配りも重要です。
こういったことは、プロジェクト経験値が高いメンバーの方が実行力があるので、そういった人物を中核メンバーとすることも考え方の一つです。

プロジェクトを推進していく上では、当然メンバー全員の協力が必要となってきますが、その中でもプロジェクトマネージャーの片腕を担う中核メンバーの選考と、彼らにプロジェクト全期間に参画してもらうことが一つ目のポイントとなります。

2.メンバーのスキルとWBSの作業を合わせる

プロジェクト管理 強いチーム 秘訣

チームメンバーは、性格やスキル、知識、能力、考え方などが異なるメンバーから成り立っているので、プロジェクトマネージャーとしては各人の長所を上手く活用しつつ、弱点を補いながらチーム編成をしていくことが求められます。

上記のことは、口で言うほど簡単ではありませんが、チーム編成をすることと、チームを1つにまとめることはプロジェクトマネージャーの大きな役割と言うことができます。
チームメンバーを編成したら、次は実際の作業分担を検討します。

作業分担は次の2段階のステップで行います。
まず、作業に必要なスキル・経験を洗い出し、その上で適任者を担当として割り当てていきます。
プロジェクトにどんなスキルが必要か、この質問はWBSから系統的に考えます。

ここではWBSの作成方法は割愛しますが、WBSを作成したらその作業をもとに、必要なスキルと経験を洗い出します。
例えば、会計システム開発プロジェクトであれば、財務システムの経験があるか、財務会計の知識があるかなどの問いが出てきます。
そういった必要スキルや経験を持つ適任者が社内にいるのかといったことも検討する必要があります。
社内にいなければ、外部から探す必要があるので、この段階の検討は正確かつ早めに行うことが重要です。

WBSを作成し、必要な経験やスキルを洗い出したら、実際に作業に割り当てるメンバーを決めていきます。
その際に、誰を選ぶのか、なぜそのメンバーを選ぶのか、そのメンバーに対して監督はどの程度必要なのかといったことを検討します。

こうした問いに答えることで、プロジェクトに必要な人材と実際に割り当てるメンバーを突き合わせることになります。
必要な人材が実際に存在して、本人にやる気も能力もあるのか?といったことや、その人材は自分たちのプロジェクトにどのくらいの時間を割くことができるのか?といったことを検討することが大切です。
状況に応じて専門家やコンサルタント、派遣社員などの外部リソースを活用する必要がないか?その場合のコストはどのくらいかかるのかなどといったことを総合的に判断するためには、全ての計画がつながっていると考えることができます。

計画の段階で一箇所でも曖昧な部分があると、そこから波及してプロジェクトの方向性を左右しかねない大問題となることもあります。
そういった意味で、一つ一つの計画を綿密に立てて、常に問いの意識を持ちながら先に進んでいくことが大切です。
プロジェクト計画の作成には内部メンバーだけでなく、必要に応じて外部の有識者を入れて検討していくのが良いでしょう。

3.必要なメンバーを集めるための3つの秘訣

プロジェクトを推進していくためには、必要なメンバーを確保しなければなりません。
しかし、人材の調達はそれほど簡単ではありません。
それは、社内の人間は日常業務に忙殺されており、社外の人間はコストがかかるためです。
なんとかして、必要なメンバーをかき集めるためのポイントを3つ紹介します。

3.1 部下や同じ部署内のメンバーを活用する

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同じ部署に適任がいて、他のプロジェクトにフルタイムで時間を割かれていないのであれば、その人にプロジェクトを手伝ってもらうのが早いでしょう。
話がスムーズに進みやすく、長所・短所も分かっており、立場によってはその人をコントロールすることもできます。
そういった意味で、同じ部署内のメンバーを活用することは、時間的にも労力が少なくて済むでしょう。

社内の人材を活用する場合には、当人の役務契約書の中に、プロジェクト目標を入れてもらう必要があります。
当然のことですが、目の前に2つの作業があってどちらか1つを選ばなければならない状況となった場合、誰しも自分に給料を支払ってくれる方の作業を選ぶでしょう。
そういった意味で、通常業務外のプロジェクトにも参画してもらいたいというのであれば、人事考課でプロジェクト活動も正当に評価し、査定にプラス(あるいはマイナス)の効果をもたせることが必要です。

社外のリソースを活用することも一つの手法ではありますが、社内の同部署に適任がいるのであれば、その人材を活用することを第一に考えることが得策と言えるでしょう。

3.2 他部署のメンバーを活用する

大きな組織になってくれば、技術や専門知識を持ったメンバーが他部門にいるケースも多く見られます。
そういったメンバーをプロジェクトに入れることで、その人を通じて、チームを効果的・効率的に動かすことが可能になることもあります。
例えば、経理部門の専門家に予算管理や注文書の発注・整理を行ってもらうなどといった具合です。

社内の他部署のメンバーを活用するには、前もって該当部署のマネージャーと交渉しておくことが重要です。
交渉の場において日程や期間、コスト等の詳細情報を互いに話し合い、認識の齟齬がないようにしておくことが大切です。

実際に他部署のメンバーを借りられた場合でも、そのメンバーの日常業務がどの程度あるのか把握しておくことが求められます。
その人がプロジェクト専任でなければ、日常業務が優先されることになります。
例えば1週間に3日はプロジェクトの作業をすることになっているケースでも、プロジェクトは二の次、三の次になってしまうことも往々にしてあります。
そういうメンバーの作業状況は他のメンバーよりも厳しくチェックするなど、管理体制を整え、必要に応じてリスク緩和策を講じておくことが大切です。

他部署の人材を活用することで、プロジェクトが円滑に進むこともあるので、可能であれば他部署と交渉して、自分たちのプロジェクトを軌道に乗せるのも一つの手と言えます。

3.3 派遣会社等の外部リソースを活用する

社内の人間で適任がいなければ、社外のリソースを活用することになります。
社外の人間は、時間的な制約にはあまり縛られないケースもありますが、社内の人材を活用するよりもコストがかかるので、その部分での検討が必要です。
コスト的に問題がなければ、外部リソースの活用も視野に入れてプロジェクトを進めていくのが良いでしょう。

外部の人は必要な時期に限って活用し、役割を終えたら抜けてもらうことで、必要最低限のコストで済ませることができます。
リスクとしては、本人が別の会社で正社員に採用され、途中でプロジェクトから抜けてしまうことが挙げられます。
こういう場合の対処についても、あらかじめ派遣会社と取り決めを行っておくことが大切です。
特にIT業界ではヘッドハンティングが行われる可能性も否めないので、プロジェクト中に必要メンバーが抜けてしまわないような対策を講じておくべきでしょう。

また、サプライヤーを選ぶ際には、十分な実績があるかどうかを確かめることが重要です。
いわゆる「おとり商売」にも注意が必要で、経験豊富なプロを送り込むと告げてきたにも関わらず、実際に作業開始日に派遣されるのは未経験の新人などといったこともあります。
こういった問題に対処するためにも、人物ベースではなく、成果ベースでの契約を結ぶことも一つの手法です。

つまり、派遣された社員が良い仕事をすればインセンティブを支払い、成果が出ない場合にはペナルティを要求することを盛り込んだ契約書を作成してもらうことで、一定程度解決できる部分もあります。
とは言っても、ペナルティをもらうことよりもプロジェクトが上手くいくことの方が重要なので、サプライヤー選定には慎重を期すべきでしょう。

上記の課題をクリアした上で上手く活用することで、外部リソースはチームに足りない部分を補う貴重な存在となります。

4.チーム内での新人メンバーの位置づけ

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長期のプロジェクトや終了期日がずっと先のプロジェクトであれば、新人を採用する方がメリットになることもあります。
例えば、プロジェクト終了後に新システムの保守要員が必要なケースでは、新人を正社員として採用してプロジェクトの成果物や会社の歴史を知ってもらうことで、その後の会社の成長を考えた際にはメリットとなるでしょう。

プロジェクトごとに、派遣社員やプロジェクト専門の社員を使うのも短期的には成功しているように見えますが、長期的な会社の成長を考えた時には、生え抜きの新人を育てておくことが有効です。

派遣社員やパートナー社員の利用は、プロジェクト単体を考えた時には費用対効果がマッチすることが多いですが、彼らの経験やノウハウが社内に残りにくいという欠点もあります。
プロジェクト単発での契約だと、それで契約終了となってしまうので、せっかく積み上げたノウハウが残らないということも往々にしてあります。

そういった意味でも、各プロジェクトに自社の社員、特に新人などの若い人材を入れておくことが重要です。
新人にあまり多くを期待することはできないかもしれませんが、短期的なプロジェクトの成功だけでなく、長期的な会社の発展を見据えて、多少コストがかかったとしても会社の将来を担う人材として育てていくことも一つの考え方です。

まとめ

「企業は人なり」という言葉もあるように、組織を動かすのもプロジェクトを動かすのも最終的には“人”です。
その”人”をいかに集めて、いかに動かしていくかで、その組織やプロジェクトの成功は決まってくると言えます。

そういった意味で、本記事で取り上げた強力なチームを作るための4つの秘訣は重要な要素であり、実践すべき考え方と言えましょう。
特に、組織を短期的な視点と長期的な視点で分析することが大切で、短期的なプロジェクトの成功が必要な時もあれば、長期的な組織の繁栄を目指すべき時もあります。
そういった考えが外部リソースを利用するのか、あるいは社内の人間でやり切るのかといった判断にもつながります。

短期的な成功も収めつつ、長期的な組織の発展のための手を打っておくというバランスを保ちながらプロジェクトを遂行していくことが重要です。

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