プロジェクトマネージャー必読!進捗管理あるあるを防ぐ4つのポイント~進捗管理表無料サンプル付き~

進捗管理は、あらゆるプロジェクトにおいて、納期を守って商品やシステム、サービスを作り上げるためにもっとも重要な業務の1つです。管理者であるマネージャーやプロジェクトリーダーの多くが経験する進捗管理の難しさ。

週次ミーティングや月次ミーティングを行って進捗確認をすると、いつも順調な報告しか無い・・・。

実は、その裏側で、

  • 細かく確認すると、チームメンバー内で認識の違いがあった
  • 作業を進める上で、障害やトラブルが発生しているのに報告が上がって来ない
  • 進捗率90%と言いながら、実は進んでいなかった

このような、重大事項が報告されなかったという経験はありませんか?

その結果、納期近くになっても進捗率が上がらず、納期に間に合わずプロジェクトが遅延したり、失敗と言う最悪の事態へ。

この記事では、進捗管理を行う上で、チームメンバーとの関わり方の重要性やそのポイント、進捗報告に対するルール作りを基本とし、その上で、進捗管理ツールを活用する方法をご紹介します。マネージャーやプロジェクトリーダーの方は実務の参考にして下さい。

そもそも進捗管理とは何か?

進捗管理の業務内容

進捗管理は、プロジェクトに関わっているチームメンバーの作業の進行具合を把握して、プロジェクトの目標や納期を確認しながら、タスク管理を行い、進めるべきタイミングや進行状況のズレを修正していく業務です。

そのためには、プロジェクトの内容に精通していて、各作業についての4W1H(いつ、どこで、だれが、何の作業を、どれくらい進めたか)を把握していることが必要です。この情報を把握するために、定例ミーティングなどを開いて、各メンバーの進捗状況を細かく聞き出すことも求められています。

進捗管理は「これまでやってきた業務の内容」を把握するのではない

プロジェクトの進捗管理を行う時、チームメンバーに進捗を確認すると「現状、この作業を行っています」「まもなく、この作業が完了予定です」という報告が返ってくることはないでしょうか。また、メンバーとしてプロジェクトに関わっている時に、マネージャーから「どの程度まで進みましたか」「今日まで何をしていましたか」と質問されたこともありませんか?

このような状況では、進捗管理を適切にできているとは言えません。

なぜなら、進捗とは「これまでやってきた業務の内容」で計るのではなく、「残っている業務の内容」で計るべきだからです。進捗率は仕事の達成の度合いであり、それを目標や納期と照らし合わせて「この業務はいつ完了するか」を予測するのが、進捗管理の一番大事な目的です。

「この仕事が終わるまでに、あと何日かかるのか」「あとどれくらいの費用がかかるのか」「あとどれくらいのリソースが必要なのか」を考えるために、進捗管理が必要なのです。

「進捗率90%です。」の罠から探る、進捗管理が上手くいかない理由

プロジェクトの進捗管理をしていると、「作業の進捗率は90%です」と報告するメンバーがいます。しかし、その後も「進捗率90%」のまま一向に作業は終わらず、結果として予定より大幅に作業が遅れてしまった・・・ということが、進捗管理の失敗例で最も多く見るケースです。

この失敗の裏には、どのような原因があったのでしょうか?

チームメンバーの心理

まず挙げられるのは、チームメンバーの心理的な要因です。

作業が計画よりも遅れている場合、マネージャーはメンバーに対してその遅れの原因や今後の対策について報告することを求めるでしょう。こんな時、メンバーは「悪い報告(計画より作業が遅れているという報告)はしたくない」と感じるのです。

よって、多少作業が遅れていたとしても、メンバーが「これくらいなら自分でなんとかなる」と考えたならば、計画通りに進んでいると報告してしまった方が楽なのです。

しかし、そのまま遅れを取り戻せずに作業の終了日が近づくと、メンバーは困ってしまいます。進捗率100%は作業の完了を意味するので、終わっていない現状では進捗率100%と報告できません。結果として「進捗率90%」のまま進まなくなってしまうのです。

進捗率の認識のズレ

次に挙げられるのは、チーム内での進捗率の認識のズレです。

認識のズレには、主観で進捗率を決めていたケースと、工数を基準に進捗率を計算していたケースの2パターンがあります。

主観で進捗率を決めていたケースの場合、作業を割り当てられたメンバーの裁量で進捗率は決まります。最初から作業内容をすべて見通すことは難しいので、作業途中で思わぬトラブルが発生して想定より作業量や作業時間が増えて、なかなか進捗率100%にならないのです。

工数を基準に進捗率を求めていたケースの場合、工数と進捗が比例するものであると仮定して予定が立てられます。たとえば、10日間かかる予定の作業で進捗率が90%とすると、あと1日で作業が終わるものだと考えられます。

しかし、メンバーに確認してみると、別の問題があって、作業の進捗率とその問題の解決度合は別物と考えられていたということがあります。進捗率と実際の進み具合が違って、進捗管理が適切にできていなかったのです。

進捗率だけに頼った進捗管理

最後に、進捗管理を進捗率だけに頼って行ったことが挙げられます。

進捗率は作業の進み具合を数値化したものなので、進捗率を把握することでマネージャーはなんとなく進捗管理をできている気になることが多いです。進捗率の数字が順調に推移していると、同じように作業も順調に進んでいると安心してしまいがちです。

しかし、その進捗率の裏には見えない事情があるかもしれません。外注先との間にトラブルが発生した、メンバーの体調が悪くなったなど、数字では分からない実態が潜んでいるかもしれないのです。

この場合、進捗率が思うように推移しなくなって初めて、進捗率と実態との違いに気づくのですが、その時にはもう取り返しのつかない事態になっている、ということもまたあり得ます。

進捗率がどのようなものかをきちんと定義して理解しないと、進捗率の数字は意味のない数値になってしまいます。

忘れてはいけない進捗管理成功のための4つの重要ポイント

間違いやミスを容認するチームの雰囲気を作る

進捗管理に限らず、プロジェクト運営の中で起きる失敗は人間関係に根本的な原因があることがほとんどです。マネージャーも含めたプロジェクト関係者全員が緊密な信頼関係で結び付いていることで、トラブルにも対処しやすくなります。

信頼関係をつくる手段の一つが、間違いを容認する雰囲気をチーム内に作ることです。

間違いやミスが許されない雰囲気がチーム内に作られると、メンバーは悪い報告をしにくくなり、結果として終盤に問題が一気に判明してプロジェクトが破綻してしまいます。

このような失敗を防ぐために、間違いやミスを容認するチームの雰囲気を作るには、ミスや失敗をしたメンバーとマネージャーがじっくり話し合い、その原因を探ることが大事です。ほかにも、マネージャー自身の失敗例を折に触れてメンバーに伝えることも有効です。

もちろん、同じ原因でメンバーが再び失敗してしまった場合は、ほかのメンバーの目に見えないところで、理由を伝えて叱ることも必要です。

チームメンバーの性格や現在状況を把握する

メンバーによって作業の捉え方や作業効率は違うので、それらを把握することでより良い作業予定を立てられます。しかし、他人を完全に理解することはまず不可能です。

そこで、メンバーが楽観的な性格か、悲観的な性格かだけをチェックしてみましょう。

楽観的な性格のメンバーは作業が10%くらいの完成度でも「すぐ完成する」と思って作業しますし、悲観的な性格のメンバーは90%の完成度でも「完成にはまだまだだ」と思って作業します。このようにメンバーの性格をつかむことで、メンバーへの指示を変えて、より明確な進捗を把握することができます。

また、メンバーの体調やほかの業務を確認することも重要です。それぞれに支障をきたさないように、うまく作業を割り当てることもマネージャーの仕事です。

進捗率の数字をはっきり定義(ルール化)する

進捗率は作業の進み具合を数値化したもので、進捗管理をしやすくするためのものです。ですが、進捗率を明確に定義しないと、先に述べたように意味のない数値になってしまいます。

では、進捗率の数字はどのように定義すればよいのでしょうか?

各メンバーの感覚や時間を基準にすると、認識のズレが起きやすくなってしまいます。そこで、目に見えて確実な基準として、作業の成果物を利用します。

たとえば「10ページの企画書」をつくる作業があれば、分母は10ページとなり、「企画書が3ページできた」時の進捗率は30%となります。「要望があって企画書が15ページになった」というときは、分母を15ページに変えます。作業が異なれば、分母も異なります。

このように成果物を基準にすることで、的確で把握しやすい進捗率を定義することができます。

また、「表紙はすぐにできるから0.5ページ分、この項目は時間のかかる調査だから2ページ分としてカウントする」というように、成果物の中に重みづけをして関係者と共有することで、より進捗管理がスムーズになります。

工程表の活用と進捗確認会議の定例化

進捗管理を行う際に、まず最初に準備するのが工程表です。多くの書籍やサイトで工程表については書かれていますので、ここでは割愛します。

工程表を作成し、そこにタスクの項目を記載し、メンバーからタスクの作業工数と納期を確認し工程表を埋めていると思います。しかし、始めに作ってそれ以降、更新していない事が多いようです。工程表は必要に応じて追記・更新していく事が重要です。新規の要件定義が追加されたり、社内テストの結果やクライアントレビューや納品のタイミングで工程表の内容を追記・更新することが多く発生しているはずです。そして、その追記・更新情報を必ずメンバーへも共有する場(会議体)を定例的に設ける事です。

次に、工程表における現状の進捗状況を見える化する手段がイナズマ線です。これは、工程表のある日にちにおける進捗度合を表す縦線を書き込む方法で、50%の進捗なら横線の真ん中に、10%の進捗なら横線の1/10の場所に点を打ち、それを結んだ線がイナズマのように見えるため、イナズマ線と言われています。このイナズマ線の左側と右側の突出し具合を見る事で進捗率を一目で視認することができます。

イナズマ線の入った工程表をプロジェクトメンバーと共有することで、進捗状況をメンバー全員で共有し易い状況を作る事ができます。意外と当たり前のようで、出来ていない方が多いようです。

まとめ

如何でしたでしょうか?

進捗管理をするツールは色々と目にしますが、実運用に関するポイントについて書かれている事はあまりありません。今回は、実際に進捗管理を実施するプロジェクトリーダーにとって、実戦でも活用頂ける内容を具体例を含め掲載致しました。ぜひ、実戦でも試してみてください。もちろん、進捗管理をする上で、プロジェクト管理等のシステムを使う事もプロジェクトリーダーの作業効率を上げる手段ですので活用をお忘れなく。

今回はダウンロードしてすぐに使える、進捗管理表サンプルをご用意致しましたので、この記事を参考にしながら進捗管理表を作ってみましょう。

進捗管理表サンプルをダウンロードする

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