ITプロジェクトにおける案件管理の実践方法とは?

案件管理は、まさにプロジェクトを進めるためのOSです。OSがしっかりしていなければ、いくら高い技術を持ったメンバーがいても、処理が遅くなったり、フリーズして動かなくなったりします。「もっとOSが欲しい」と思うならタスク管理を身に付けてバージョンアップする必要があります。ただし、OSのバージョンアップには時間がかかりますので、じっくり取り組んでいく必要があります。この記事では案件管理の解説やそこで役立つツールを紹介します。

1.  案件管理とは

まず、案件管理の概要とメリットについて説明します。
案件を理解するためには、タスクというキーワードを知る必要があります。

タスクとは

日常的に使われるタスク(Task)には作業や仕事という意味があります。コンピュータ用語ではプログラムが処理する最小の作業の単位のことを言います。

ビジネス用語としては、やるべき仕事を「作業」のレベルに分解したものをタスクといいます。タスクに分解することでやるべきことが明確になり、管理しやすくなります。

通常、1時間程度で終わるタスクに分けるのが目安ですが、急ぎの仕事の場合は15分や30分の短い時間に分割してタスクの進捗を確認するのも効果的です。逆に優先度の低いタスクはまとめておいた方が管理の手間が省けます。

案件(プロジェクト)とは

案件とはプロジェクトと同義で、特定の目的を達成するための業務のことです。したがって、案件(プロジェクト)は多数のタスクから構成されています。案件(プロジェクト)を進めていくにはタスクを整理して実施状況を把握する必要があります。

タスク管理

タスク管理とは各タスクについて実施担当者とスケジュールを決めて進捗を管理することです。担当者の割り当てでは、担当者のスキル(タスクを実行するのに必要な能力)を考慮します。教育が必要な場合、教育期間についてもスケジュールに組み込みます。

時間の割り当てでは各タスクの予想所用時間に応じて開始日時と終了日時を設定します。

進捗管理では、タスクが実際に予定通りに実施されているかチェックします。問題やスケジュールの遅延があればそれに対する対処を行います。

タスク管理のメリット

適切にタスク管理を行うことで仕事の効率化ができます。具体的にどんなメリットがあるのでしょうか。

タスクを洗い出すことで、やるべきことが明確に見えてきます。洗い出したタスクの中で何を優先してどのような順序で行うかということもタスク管理で整理されます。

管理をせずに手当たり次第に漠然と仕事を進めていると本当に期限に間に合うのか不安になるでしょう。タスク管理をすることで、頭の中が整理され順序立てて仕事に取り組むことができます。その時にやるべきタスクに集中できるので心にも余裕ができます。

このように、案件管理を効率化させるにはタスク管理を効率化させる必要があるのです。

つまり、タスク管理が最適化されることで案件管理が最適化されます。

2. タスク管理の実践テクニック

ここでは、タスク管理に関するテクニックやスキルを、「事前準備(Prepare)」「計画(Plan)」「実行(Do)」「検証・改善(Check& Action)」の4つのフェーズに分けて解説します。

事前準備

タスク管理の第一歩は、雑務を含めてすべてのタスクを洗い出すことです。タスクに対して時間と人を割り当てて、期限までに終えるようにマネジメントします。したがって、タスクは漏れなく洗い出す必要があります。

タスクの洗い出しと同時にやっておくべきことがあります。それはタスクごとに所要時間を予測することです。そうしないとタスクを定量的に把握できませんし、割り当て可能な残り時間も分からなくなります。

初めて行うタスクや提案書作成のような創造性を必要とするタスクは予測が難しいので概算になるのは仕方ないでしょう。しかし、ルーチンで行っているタスクについては、一度は所要時間を計っておきましょう。定期的なルーチンタスクの所要時間を把握することで、それ以外のタスクに使用可能な時間を算出することができます。

計画(Plan)

タスク管理においてタスクの洗い出しの次に行うのはスケジューリングです。その際に重要なのはすべてのタスクについて、実行予定の日時を決めてしまうことです。

一般的には、ある期限までにやるタスクが発生すると実行する週や期間を大まかに決めるにとどまることが多いです。このやり方だと往々にして、期限間際に慌てることになります。期限まで余裕があるためについつい先延ばしにしている内により重要な他のタスクが割り込んできて結果として十分な時間が確保できないということが起こりがちです。

もう一つ、タスクをスケジュールに組み込む際に考える必要があるのがどのタスクを先に行うかという優先順位付けです。原則としては重要度と緊急度などを基に決めます。

後続のタスクがどのくらいあるかということも考慮が必要です。

1日単位で実行するタスクを決めてもその日のうちにすべて完了できるとは限りません。急に別なタスクが割り込んで来ることや、設定した期限までにタスクが終わらないことはしばしば発生します。こんなときはどうしたらよいでしょうか。結局のところ解決策はバッファ時間(余裕時間)を確保しておくことに尽きます。

実行(Do)

タスクを実行する段階で重要なのは、集中力を高めて維持することです。そのために有効な方法の一つが適度なプレッシャーを与えることです。時間に制限を設けることで集中力を高める「締め切り効果」を利用します。ただし、無理なスケジュールは焦りすぎて逆効果になるので注意が必要です。

人間の集中力が維持できる時間は限られています。大きなタスクの場合は小さな単位に分割して管理しましょう。

締め切り効果を演出しても、邪魔が入ると集中力はそがれてしまいます。例えば誰かが話し掛けてきたり、電話がかかってきたりなどです。そこで集中力を維持するには邪魔が入らないようにすることが不可欠です。個人として始業時間よりも30分早く出社して1人で集中して作業する時間を確保することができます。またチームや会社として早朝時間を有効活用するために朝方勤務を推奨している現場もあります。

検証・改善(Check & Action)

ここまで解説してきたタスク管理のテクニックは、事前準備に加え、適切に準備・計画すること(Plan)、それに集中して実行すること(Do)です。そうなれば当然必要なのがCheckとActionです。Checkとしてやることはタスクごとにどれだけの時間を要したか記録し、タスクの所要時間の予測値と実績値を比較することです。Actionとして予定と実績が食い違ったタスクについて遅れた理由(もしくは早く終わった理由)を探ります。その結果によって、仕事のやり方もしくは所要時間の設定を見直します。

3. ITプロジェクトのタスク管理に役立つツール

ITプロジェクトのタスク管理には、プロジェクト管理ツールが活用できます。プロジェクト管理ツールではスケジュール管理・工数管理が簡単にできるようになっています。

ドラッグ&ドロップなど直感的な操作でスケジュールの作成や組み替えができます。

また、ガントチャートで予測値と実績値を並行表示して比較できるので、改善すべきタスクが瞬時に把握できます。

プロジェクト管理ツールは、これらスケジュール管理・工数管理の機能によりタスク管理の効率化に貢献します。

4. まとめ

この記事では、ITプロジェクトにおけるタスク管理、それに役立つツールについて解説してきました。ITプロジェクトは多数のタスクから成り立っています。したがってプロジェクトを進めていくためにはタスクを整理し、タスク管理の「計画(Plan)」、「実行(Do)」、「検証・改善(Check & Action)」を実施していく必要があります。しかし、多くのタスクの進捗状況を把握するのは簡単ではありません。プロジェクト管理ツールを利用することによってタスク管理を効率化してみてはいかがでしょうか。

 

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