テレワーク時代のスキルの磨き方 -エンジニア編-

テレワークとは、情報通信技術を活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方です。新型コロナの流行に対応して、多くの企業がテレワーク導入を余儀なくされました。テレワークへの流れは、新型コロナが収束しても、元には戻らないとの見方が大勢を占めています。

この記事では、テレワークの時代を「エンジニアが乗り切るためのスキルアップの方法」についてご紹介します。

1. テレワーク時代の到来

東京商工会議所は、6月初めに実施したアンケート(都内の1111社が回答)の結果を発表しました。それによれば、テレワークの導入が67.3%となり、前回3月調査の26.0%から41.3ポイント上昇しました。

テレワークを実施した際に生じた課題についての質問では、「ネットワーク環境の整備」が56.7%、「PC・スマホ等機器の確保」が55.9%という結果になりました。

※参考:東京商工会議所「テレワークの実施状況に関する緊急アンケート」

このように、テレワークの導入が進んでいるものの、多くの企業は「ネットワーク環境の整備」「PC・スマホ等機器の確保」「セキュリティの整備」といったハード面の課題に直面しています。

一方ソフト面では、「テレワークで高い生産性を維持するには、どのようなスキルが必要なのか?」といったスキルやマインドに関する議論は少ないのが現状です。さらに見落とされがちなのは、スキル開発の手法です。勤務時間や勤務場所が多様化するテレワーク利用者のスキルアップに目を向けている企業は、いまだ少数です。

このような状況の下でも、私たちは「テレワーク時代」を、しなやかに生き抜いていく必要があります。
以下では、エンジニアにとってテレワーク時代に必要となる「スキル」と「スキルの磨き方」の2点について、順番に解説していきます。

2. テレワーク時代に必要なスキル

エンジニアにとってテレワーク時代に必要なスキルは、次の4つと言えるでしょう。

2-1. テレワークに必要なツールを使いこなす

「テレワークに必要なツールを使えること」が大前提となります。
テレワークではオンライン(チャット、メール、Web会議など)でのコミュニケーション機会が圧倒的に増えます。今まで当たり前に対面で行っていた朝礼や会議、周囲のメンバーや上司へのちょっとした相談を、オンライン上で行う必要があります。

特に、Web会議システム、電子契約サービス、タスク管理ツールなど、コロナ禍で一気に利用度が高まったサービスは注目です。それらの特長を理解した上で、うまく社内に浸透させることは非常に重要なスキルと評価されます。

2-2. ITスキル

エンジニアであれば、プログラミングやサーバの知識や経験など、当たり前のスキルを持っていることが前提となります。

人間関係の潤滑油的な存在は、リアルであれば有効な場面も多いのですが、テレワーク環境下では能力を発揮しづらくなります。これまで以上に、保有するスキルで評価されることを念頭に置きましょう。

2-3. 自発的に動く

多くのメンバーがテレワークに慣れていないことから、指示を待つのではなく、自ら動く必要があります。管理職はテレワークよりもリアルを好む傾向があるため、メールやチャットなどの指示が具体的でなく曖昧なケースが生じます。そのような場合には、曖昧にせず、しっかりと確認することが必要です。

2-4. 情報発信する

テレワークはメンバーから直接見えないので、出社退社はもちろんのこと、今日何をやるのか(やったのか)等をしっかりと情報発信する必要があります。

勤怠管理や存在証明だけでなく、業務の手戻りを減らすためにも、適切なタイミングで関係者とコミュニケーションすることが重要です。

対面であれば、相手の表情やその場の雰囲気を踏まえ、うまく周囲に察してもらえたかもしれません。しかしオンライン上では、そうはいきません。テレワーク利用中は自分自身の考えを整理して構造化し、相手に伝わるように言語化して発信する力、いわゆる論理思考も重要です。発信内容を曖昧にせず、誰が読んでも伝わるような、正確な表現を心がけると良いでしょう。

3. テレワーク時代のスキルの磨き方

次に、テレワーク時代のスキルの磨き方を見ていきましょう。その方法は次の5つです。

3-1. 学習のテーマを考える

テレワークでは、モデリング(誰かの真似をする)が困難です。
視覚情報が得られないので、知らない間に身につけることができなくなります。したがって、何を身につけたいのかを、決めるところから始める必要があります。手っ取り早いのは、社内で必須のスキル、あると良いスキルなどを上司に確認することです。

テレワークの進展により、従来のような「社員を全人格的に管理する」から、「成果を軸とした会社と個人の契約」へと組織は変わっていきます。変化した組織では「個人のスキル」が重要になります。また、1つのスキルが突出した人ではなく「スキルの掛け合わせ」ができる人材がどんどん活躍していく時代になっていくと思われます。自分のスキルを洗いなおし、どんなスキルがテレワークの時代に活きていくのかを考えてみましょう。

3-2. オンラインセミナーに参加する

リアルの場で開催されるビジネス系セミナーの多くは大都市に集中していましたが、それが場所に縛られずどこからでも参加できるようになりました。 移動時間も不要になるので、空き時間をうまく使っての参加も可能です。

一般的には、「場所や時間を選ばない」テレワークに合うのは、eラーニングや動画視聴学習の受講です。

ただ、これらは知識の習得(インプット)に偏りがちという側面があります。ビジネスの知識が実務で活かせるレベルに達するためには、発信すること(アウトプット)が重要です。そこで、オンライン会議システムを用いて、講師と受講者がリアルタイムにディスカッションを行う能力開発手法が注目されています。

もし、セミナーの受講目的が知識習得で、セミナーの録画視聴が可能、且つ再生速度変更が可能であれば、リアルタイム視聴をやめ、録画を倍速で見るようにすると効率的です。 

3-3. SNSを活用する

興味のあるグループなどがあれば積極的に参加し、業界動向や最新技術動向をキャッチするなど、これまで以上にSNSが重要になってきます。

セミナーで学んだ内容をSNSで発信することもおすすめです。「人に見せる」といった緊張感を持ちつつ振り返る良い機会となります。 

3-4. 自己投資を惜しまない

書籍の購入をためらうべきではありません。電子書籍を活用すれば、保管場所の制約を受けることもありません。

書籍以外にも、「セミナー」や「見た目」への投資が、ビジネスでは重要になる場面は多いものです。

3-5 計画的にやる

テレワーク化が進むと、仕事を始める時間や勤務時間も自分で決められるようになります。テレワークで仕事を進めるためには、自分自身を管理する能力が一番に求められます。

そして、スキルは一朝一夕に身につきません。これは、オンラインでもオフラインでも同じです。目標を持ち、計画をしっかり立てることが肝要です。

4. まとめ

この記事では、テレワーク時代にエンジニアに求められるスキルやその磨き方を紹介しました。

全ての人が生まれながらにテレワークに向いているわけではありません。しかし、テレワークのスキルは、ほぼ全ての人が学習し身に付けることができます。

求められるスキルを理解して、スキルアップを計画的に進めることで、テレワークの時代に適応していきましょう。

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