【徹底解説】課題をタスク化してチームで成果を上げる方法

システム導入や業務改善といったプロジェクトを任されたリーダーは、全体の計画や仕事の進め方、部下の動かし方まで考えなければなりません。プロジェクトに精通している人であれば進捗や課題、リスクなどを体系的に管理することができますが、不慣れな人は、やみくもに手をつけることで、結果的に膨大な時間と手間がかかってしまいがちです。

プロジェクトを効率的に進めるために有効なのが、業務内容を細分化し、タスクとして可視化することです。この記事では、その方法を紹介します。 

課題とタスクの違い

仕事には、「課題」と「タスク」の2種類があります。

「課題」と「タスク」の大きな違いは、それが“事象”なのか、“作業”なのか、という点です。“事象”とは「○○である」「○○かもしれない」など出来事のことで、“作業”とは「○○をする」「○○を進める」など活動のことです。

「課題」と「タスク」のもう一つの違いは、“個人で解決できるかどうか”です。個人で解決できない事象は「課題」として共有し、課題解決のための「タスク」に分解する必要があります。

プロジェクトのリーダーにとって、課題とは「解決しなければプロジェクトの目的を達成できないこと」を意味します。タスクとは「やらなければいけないこと」を意味します。プロジェクトの進め方としては、「やらなければいけない」タスクの処理を、課題よりも優先します。タスクが終わった後で課題に取り組むことになります。

このように、「課題」と「タスク」はそれぞれ発生した後に“やること”が異なるため、ごちゃ混ぜにせず、きちんと切り分けて考える必要があります。

課題とタスクの管理

プロジェクトにおける課題への取り組み方は、次のような5つのステップがあり、これを繰り返すことになります。

  1.  さまざまな事象の中から解決が必要なことを見つけ出す「発見」のステップ
  2.  課題を一覧にしてみんなで一緒に見る「共有」のステップ
  3.  課題の内容と優先順位について認識を合わせる「合意」のステップ
  4.  課題を解決するための具体的な行動に分解する「タスク化」のステップ
  5.  タスクが完了するように見守る「フォローアップ」のステップ

発見・共有・合意のステップ

このステップでは、以下のような項目で課題を一覧にし、内容と優先順位を合わせることが重要です。

〇課題番号

〇提起者:記載することで、誰に課題の詳細を確認すればよいのか分かりやすくなります。

〇記載日:いつ発生した課題なのかを明確にするために記載します。

〇タイトル:タイトルを使って一目でわかるようにしておくと便利です。

〇課題内容:課題の詳細を記載します。

〇対応方針:課題解決の方向性を記載します。

〇対応状況:「未着手」、「仕掛中」、「完了」といったステータスと現在の状況を記載します。

〇重要度:課題の重要度を「高」、「中」、「低」で記載します。

〇緊急度:課題の緊急度を「高」、「中」、「低」で記載します。

タスク化のステップ

「課題のタスク化」とは、課題の解決策を考え、一人で解決可能な単位まで分解して、「誰が」「いつまでに」解決するのか、担当と期限を割り振ることです。イメージとしては、上述の発見・共有・合意された課題一覧に、「解決策」「担当」「期限」の欄を追加する感じです。  

プロジェクトのリーダーにとって、「プロジェクトが遅延する」という事象の場合、「リソースが不足しているためにプロジェクトが遅延している」といった原因が分かっているものは、『課題』となります。この課題に対して、「新しい担当者を配属する」という解決の方向性が決まれば、「新しい担当者の調整」という『タスク』になっていきます。

フォローアップのステップ

タスクが完了するまで見守り、経過と結果を一覧表に記録します。上述の「解決策」「担当」「期限」の欄を追加された課題一覧に挙げたタスクを、一つ一つ解決しては色を塗りつぶしていくイメージです。期限を過ぎても完了していないタスクがあれば、そのタスクの遅延による影響範囲を把握して、課題一覧に反映します。

以上を繰り返すことが、プロジェクトにおける課題管理のプロセスです。

スケジュール通りにプロジェクトを進める3つのポイント

スケジュール通りにプロジェクトを進めるためのタスク管理のポイントを3つ紹介します。

ポイント1 : タスクを細分化して洗い出す

計画を立てる時、タスクを大ざっぱに考えるのではなく、細分化して考えましょう。タスクの内容を曖昧にしか把握できていなければ、スケジュールも大雑把になってしまいます。

たとえば、「提案資料を作成する」というタスクの場合、次のようなプロセスに分解してから、「タスク化」します。

<提案資料の作成>

  • 提案資料の構成を考える
  • データをそろえる
  • 結論の仮説を考える
  • データから現状と課題をまとめる
  • 課題への対応策を複数立案する
  • 結論と対応策の整合性を検証する
  • パワーポイントで資料作成する
  • 必要な資料を人数分印刷する

このようにタスクを細分化することで、各プロセスにかかる時間を予測しやすくなり、タスク全体にかかる時間も見通しやすくなります。

ポイント2 : 少し長めに所要時間を見積もる

各プロセスにかかる所要時間を見積もる際、慣れるまでは、時間を「予想し得る最長時間」に設定するようにしましょう。所要時間を見誤った場合は、その都度原因を分析することで、見積もり所要時間の精度は上がっていきます。

ポイント3 : 集中タスクと非集中タスクに分けて考える

仕事は、能動的で集中力が必要な「集中タスク」と、行動すれば終わる「非集中タスク」があります。この集中タスクと非集中タスクには別の能力が必要だとされ、一方のタスクばかりを行うのではなく両方の仕事をバランスよく行うことで、メリハリがついた効率のよい仕事ができると考えられています。

タスク管理ツール

タスク管理ツールとは、タスクをリストに記入して進捗状況に応じて整理するツールです。必要に応じて、期限や担当者なども一箇所に設定できるため、今まで煩雑になっていたタスク管理をまとめることができます。

タスク管理ツールのメリットとして、次の3つが挙げられます。

  • チーム内の進捗状況を可視化できる
  • タスク漏れや後から依頼された仕事にも対応できる
  • 部門やカテゴリーごとにタスク管理が可能になる

課題管理やタスク管理は、プロジェクト管理にもつながっているため、「タスク管理ツール」「課題管理ツール」といったワードだけでなく、「プロジェクト管理ツール」「進捗管理ツール」「工数管理ツール」などのワードも取り入れて広くツールを探してみることをお奨めします。

5. まとめ

この記事では、何から手をつけたらいいのか判断が難しいプロジェクトは、業務内容を細分化し、タスクとして可視化することで、効率的に進められることを紹介しました。この方法は、プロジェクトに限ったことでなく、普段の仕事でも活用できます。漠然と捉えて取り組むのと、タスクを細分化して「必要な業務はこれだ」と理解して取り組むのとでは、後者のほうが仕事の進捗を確認しながら効率的に進めることができます。

組織内での仕事の進め方やタスク管理に困っている方は、ぜひ細分化して管理してみてはいかがでしょうか。

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