EAIとは?ETLとの違いやメリットを事例付きでわかりやすく解説

企業では、様々な状況や部署の特性に応じ、複数のアプリケーションソフトを利用し、データを管理しています。それぞれは独立しているため、データ資産といわれるそれらのデータを連携して活用するには開発や手動作業が必要でした。しかし最近では「EAI」を利用し、ノーコードで短期間に、効率的にデータ連携・統合を実現できるようになっています。ここではEAIとは何か、類似する機能のETLとの違いやEAIを利用するメリット、活用事例をわかりやすく解説します。

EAIとは?

EAIとは

EAIとは、Enterprise Application Integrationの略で、企業内に存在する様々なアプリケーションを統合するためのシステムを言います。
企業内では、業務を推進するためにさまざまなアプリケーションを使用し、多くのデータを管理しています。通常、これらが企業内で統一されているケースは殆どなく、各部署やチーム、案件ごとに複数のシステムを利用しているためデータが散在している状態ですが、このデータを連携させることで効率的にデータ資産の統合と活用を実現するものがEAIです。

ETLとは

ETLとは、Extract, Transform and Loadの略で、データの抽出や変換、格納を行うシステムのことです。EAIは、各データをアプリケーション間で統合しますが、ETLは、データを1ヶ所に集め、分析や再配布に活用します。

EAIとETLの違い

EAIとETLはデータの連携や統合という面で同じように見えますが、それぞれ異なります。下記をイメージするとわかりやすいでしょう。

  • EAI:リアルタイムに比較的小規模のデータの連携や処理
  • ETL:バッチ処理のような定期的、大量データを連携し集約、再配布する

EAIを利用する5つのメリット

メリット1.データ連携が容易

EAIでは、ノーコードで異なるアプリケーション間のデータの取得や連携、加工が行えます。プログラミングの知識が必要なく、ドラッグ&ドロップでデータの設定をすることができるため簡単にデータの活用を進めることができます。

メリット2.データの信頼性向上

手動でデータ操作して連携するという方法とは違い、システム側で処理を行うため、処理のし忘れやデータの操作ミスなどがなくデータの信頼性が向上します。
データの更新をトリガーに処理を行うことができ、アプリケーション間のデータの整合性も正しく保つことが可能です。

メリット3.属人化の排除

EAIのシステムにデータ処理を任せることは、属人化の排除やリスクの排除にも繋がります。EAIは複雑な処理も実現可能なことが多いため、自社に合った最適なEAIツールを探して試用してみると良いでしょう。

メリット4.ビジネスのスピード感への対応

ノーコードでデータ抽出や加工、連携を行えるため、今までのような要件定義・設計・開発・テスト・リリースという工程をなくし、データの活用を開始するまでの期間を大幅に短縮できます。

メリット5.開発コストの削減

今までのようにシステム開発を行う場合、多くのリソースと期間が必要なため、費用対効果を考えたとき開発にまで至らず、データの活用や統合を諦めているケースもあるでしょう。EAIでは、プログラミングの知識が必要なく誰でも操作でき、開発部隊を持つ必要がなく、一般的なソフトウェア開発工程が不要なためコストの削減が期待できます。

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EAIの活用事例

では、EAIはどのようなケースで利用できるのでしょうか。実際に活用されている事例を紹介します。

RPAで業務プロセスを自動化

働き方改革やDXの推進になるとも言われているRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)もEAIで実現できます。

事例1

  • 抱えていた課題
    月末月初の処理など、ある程度大きな作業はシステム化している中、手作業で行っている雑多な業務があり、作業負荷が一時的に発生することや、人為ミスが起こるケースもあり課題となっていました。
  • 解決策
    細かい作業もEAIツールでシステム化し、処理の実行ボタンを押す所までをロボットに任せ完全に自動化を行うことで、データの信頼性も上がり、月末月初に増える残業の抑止や業務の平準化を実現することができました。

開発の内製化

外部に発注していたデータ連携処理を内製化することも可能です。これにより期間短縮やコスト削減、臨機応変な対応が可能になります。

事例2

  • 抱えていた課題
    多くの店舗を持つ企業で、売上のデータ集計やリアルタイムな状況把握のためSIerにシステム開発を依頼していました。しかし仕様変更や新しい機能の追加に時間もコストもかかるという課題を抱えていました。
  • 解決策
    EAIツールを徹底的に使いこなす人員を社内に配置し、現状のフローをモデル化しながらEAIツールに完全に移行し、内製化に成功したことで大幅なコスト削減とスピードアップを実現しました。

クラウドを活用したデータ連携

各拠点のオンプレミス環境からデータ変換し、希望する形式でデータをアップロードすることで各拠点で同じデータを閲覧可能になります。

事例3

  • 抱えていた課題
    多くの拠点を持つ企業の営業部では、オンプレミスで管理しているデータとクラウドで管理しているデータがあり、環境間でのデータ連携がうまくいかない問題や、社内で使用している経理ソフトにデータを反映したいという要望がありました。
  • 解決策
    EAIツールを使用し、オンプレミス環境の全データを加工し、一旦クラウドに集約、使いたいデータ形式で再配布することで国内
    外問わず全ての拠点で同じデータを参照できるようになりました。

エクセルで行う定常業務を自動化

顧客データベースや売上管理、工数管理、営業情報など、部署や目的ごとに異なる形で管理されているデータを月次、週次でまとめるという作業をEAIで効率化することができます。

事例4

  • 抱えていた課題
    拠点や部署ごとに管理されているエクセルや、個々に設定した複雑なマクロ、それら山積したファイルをベースにして行わなければいけない月次処理があり、データの管理にも処理にも工数がかかる状態になっていました。
  • 解決策
    EAIツールを使用し、データを集約、加工、分析まで行い、最新のデータを誰もが同じ状況で閲覧できるようにしました。また、売上レポートの作成を完全に自動化することで、データ集計にかけていた時間をより重要な業務に使えるようになりました。

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まとめ

ここまでEAIの解説を行ってきました。業務改善や生産性の向上のためにはクラウドログのような工数管理ツールも有用なもののひとつですが、EAIツールを利用し更にデータ資産を活かすことが可能です。クラウドログはデータをCSV出力できるため、EAIを活用する場合にも有用です。

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