工数管理は意味がないと感じる理由や業務におけるジレンマの解消法とは

工数管理はプロジェクトを遂行する上で必要不可欠なタスクの一つですが、工数管理を正しく実施するには多くの時間を費やす必要があり、手間のかかる作業でもあります。

手間がかかる作業にも関わらず工数管理の成果や効果が得られていない場合、工数管理に意味がないと感じながらも業務上やらざるを得ないというジレンマを抱えているマネージャーも多いのではないでしょうか。

アジャイルなどの開発手法も浸透し、管理の考え方や手法にも変化がある昨今、特にベテランマネージャーはやりづらさを感じることもあるでしょう。

そこで本記事では、なぜ工数管理に意味がないと感じるのか、工数管理を効率化するために必要なことや工数管理の効率化に役立つ工数管理ツールの紹介、どのように工数管理のジレンマを解決しプロジェクトを成功に導くのかなどを解説します。

工数管理に意味がないと感じる理由とは?

工数管理に意味がないと感じてしまう理由として下記のようなものが考えられます。

時間ばかりかかり工数管理の費用対効果が感じられない

工数管理は、プロジェクトの全体的なスケジュールやコストを把握するために重要なタスクです。プロジェクトの目標は工数管理を行うことではなくスケジュール通りに納品し、利益を得ることで、そのための工数管理です。時間をかけて工数管理を行っているにも関わらず、プロジェクトが遅延したり、コスト増が発生し利益が減ったり、問題が頻繁に発生したりなど、工数管理の効果が得られていない場合、意味がないと感じる傾向にあります。

多くのことをマネージャー一人で実施している

工数管理がベテランマネージャーにとって負担となる理由には、スケジュールやコストに関する複数のタスクを同時に管理する必要があることや、プロジェクトの大規模化や複雑化、さらにスピードが求められることが挙げられます。これらに対応するには多くの作業を実施する必要がありますが、全て一人で行うには限界があります。作業を割り振れず負担が大きい場合、工数管理の効果よりも作業量の面倒さや煩わしさが上回り、意味がないと感じてしまうことがあります。

社内で評価がされない

多くの時間と手間をかけて工数管理を行い、プロジェクトを推進し、完遂させているにも関わらず社内で評価されない場合があります。その場合虚しさを感じたり、意味があるのか疑問を持ってしまったりなどでモチベーションも下がります。

特に、プロジェクトを予定通り完了させることができるベテランマネージャーの場合、社内ではそれが当たり前という感覚になり、そのための苦労や大変さが理解されないことがあります。

関連記事:工数管理を効果的に行うための管理手法 ~3つの管理とそのメリット~

工数管理のジレンマを解決するには

前項に挙げた工数管理に意味がないと感じる要因を解決するには下記のような対処法があります。

工数管理の目的を改めて確認する

工数管理に意味がないと感じている場合、工数管理は手段であるにも関わらず目的化していることが原因のひとつとして考えられます。今一度工数管理の目的や活用方法を確認すると新たな発見をしたり、業務に取り組む姿勢を改められたりなどの効果があります。

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工数管理業務の効率化を行う

手間と時間がかかる工数管理を可能な限り効率化することで一歩進んだ工数管理を行い、より意味のある工数管理になります。

工数管理システムを導入する

現在エクセルなどで管理している場合は工数管理システムの導入を検討します。

適切な工数管理ツールを使用することで、手作業の管理に比べて効率的な工数管理を行うことができます。また、工数管理ツールにより、プロジェクトの全体像を把握しやすくなり、プロジェクトの成功につなげることができます。

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利用している工数管理システムが適切か評価する

すでに工数管理システムを利用している場合は、現在の使い方が適切か、使い勝手は良いのか、自社に合ったシステムが他にないのかを再評価します。

使いにくいと感じながら利用していたり、◯◯できればもう少し便利なのにと感じたりしている場合は現在のシステムの使い方の改善や、システムの入れ替えで効率化できる可能性が高いです。

作業のエスカレーションを行う

自身の作業をチームメンバーに割り振れないかを検討します。たとえば、エクセルで工数管理を行っている場合、工数入力や入力のリマインド、チェックなど、自身で行わなくても良い作業はメンバーに任せるなどで作業を減らします。

その分メンバーの作業が増えることになったとしても、単価の高いマネージャーが行うより、メンバーが行うほうがコストが抑えられると考えることができます。

また、リマインドなどはチャットシステムを利用し自動化するなど、作業自体をなくす工夫も効果的です。

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工数やプロジェクトの分析を行い、共有する

入力した工数を活用し、分析を行います。分析により予実の剥離、生産性や利益率、原価を算出することができます。見える化されることにより誰が見ても明らかな評価軸を提示することができ、プロジェクトが成功している場合は特に社内や上層部にアピールすることができます。

分析結果をチームにも明示的に共有することで、従業員のコスト意識の向上や、入力した工数が活用されていることによる作業のモチベーションアップにも繋がります。

また、分析を行うことを前提に、各従業員の目標管理などの評価に活用することで、従業員にも工数管理を意識させながら個人の評価や社内評価にも繋げることができます。

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工数やプロジェクトの分析から業務改善を行う

工数の予実からプロジェクトの課題が発見しやすくなります。たとえば、クラウドログでは高稼働状態にある従業員をレポートする機能があります。稼働の平準化を行うために作業をマニュアル化、業務改善に繋げて、工数管理のデータを活用し業務改善を行います。

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問題や遅延が多い場合は見積やWBSの作成方法を見直す

プロジェクトに問題が発生しすぎて工数管理に意味がないと感じている場合、要件定義時の見積や作業項目の洗い出しに問題がある場合があります。

その場合、プロジェクト開始後、工数管理にいくら時間をかけてもリカバリすることは困難です。見積精度やWBSの内容を見直し、やり方を変えていくと意味がないと感じる状態に陥ることを防げる可能性があります。

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プロジェクト進行中に定期的に振り返りを行う

ウォーターフォール型の開発では、多くの場合プロジェクトが終了してから工数の分析を行い、利益率などを算出し、振り返りを実施します。しかし、振り返りで課題が見つかり改善策が出たとしても、プロジェクトは既に終了し、メンバーもまた新たなプロジェクトに参加することになるため改善策を実施するチャンスは別のプロジェクトになります。

この場合、施策の効果や評価が難しくなるため、プロジェクトの進行中に適期的な振り返りと改善のアクションを行い、PDCAを回すと良いでしょう。これはアジャイル開発での手法ですが、メンバーから課題が出ない場合もあるため、まずは分析データから改善すべき課題を見つけるアプローチが有用です。

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工数管理の効率化に役立つ工数管理ツール

前項の通り、工数管理業務自体の効率化を行うことで、より意味のある工数管理を行うことができます。工数管理の効率化を目指すにはシステム選びが重要なポイントであるため、ここでは多くの企業で利用されている工数管理ツールを紹介します。

関連記事:【保存版】ITプロが解説する工数管理システム選び!6つの機能視点での分析!

CrowdLog:初心者でも簡単に使える工数管理ツール

CrowdLogは、初心者でも簡単に使える工数管理ツールです。クラウド上で動作するため、いつでもどこでもプロジェクトの進捗状況を把握することができます。

スマートフォン向けにも最適化されているため、どのデバイスでもスムーズな入力や確認作業が行なえます。また、クラウドログは、カレンダー機能を搭載しており、スケジュール管理も容易に行うことができます。GoogleカレンダーやOutlookカレンダーとの連携により、スケジュールを登録しておけば工数を自動で登録することも可能で、ツールの画面を開くことなく工数が登録されるため非常に効率的です。

asana:タスク管理と工数管理が一元化できるツール

asanaは、タスク管理と工数管理を一元化できるツールです。asanaを使用することで、タスクの割り当て、進捗状況の追跡、工数管理を一元的に管理することができます。また、asanaは、豊富なアプリ連携により、プロジェクトの生産性を向上させることができます。

Jira:開発チーム向けの工数管理とチケット管理ができるツール

Jiraは、開発チーム向けの工数管理とチケット管理ができるツールです。Jiraを使用することで、開発チームは、タスクの割り当て、進捗状況の追跡、工数管理を一元的に管理することができます。また、Jiraは、豊富なアプリ連携により、プロジェクトの生産性を向上させることができます。

monday:直感的なUIと工数管理機能が魅力のツール

mondayは、直感的なUIと工数管理機能が魅力のツールです。mondayを使用することで、ベテランマネージャーは、タスクの割り当て、進捗状況の追跡、工数管理を一元的に管理することができます。また、mondayは、チーム全体のコミュニケーションの改善につながるコラボレーション機能も搭載しています。

Smartsheet:複雑なプロジェクト管理と工数管理が一元化できるツール

Smartsheetは、複雑なプロジェクト管理と工数管理を一元化できるツールです。Smartsheetを使用することで、タスクの割り当て、進捗状況の追跡、工数管理を一元的に管理することができます。また、Smartsheetは、プロジェクトの進捗状況をリアルタイムで把握できるため、プロジェクトの全体像を把握しやすくなります。

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工数管理ができるクラウドサービスを比較

前項で紹介した工数管理ツールを下記の観点で比較していきます。

  • 特徴
  • 使いやすさ
  • 機能性
  • アプリ連携の豊富さ

以下の表は、CrowdLog、asana、Jira、monday、Smartsheetの各サービスを比較しています。プロジェクトの状況に合ったサービス選定の参考としてご活用ください。

 

項目 CrowdLog asana Jira monday Smartsheet
特徴 初心者でも簡単に使える タスク管理と工数管理を一元化できる 機能が豊富 直感的なUIと工数管理機能 複雑なプロジェクト管理と工数管理が一元化できる
使いやすさ ★★★★★ ★★★★☆ ★★★☆☆ ★★★☆☆ ★★★★☆
機能性 ★★★★☆ ★★★★☆ ★★★★★ ★★★★☆ ★★★★☆
アプリ連携の豊富さ ★★★☆☆ ★★★★★ ★★★☆☆ ★★★☆☆ ★★☆☆☆

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まとめ

本記事では、工数管理に意味がないと感じる理由やジレンマの解決法、工数管理の効率化の方法、クラウドの工数管理システムの比較を解説しました。

工数管理はプロジェクトの成功に不可欠で、意味がないということはありません。入力した工数を活用し、業務の効率化や課題解決を行っていくことが重要で、そのためには分析がポイントになります。クラウドログは分析機能が充実しており、プロジェクトの状況の把握や課題発見を強力にサポートします。

無料の試用期間もあるため、一度お試しいただき、是非導入をご検討ください。

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