工程管理はきつい仕事?原因と対処法、やりがいを解説

工程管理とは作業と作業工程、スケジュールを明らかにし進捗を管理していくことですが、その業務の中には生産管理や品質管理、リソース管理、進捗管理など、業務の幅が広く守備範囲の広い仕事と言えます。
そのため、工程管理を担当し始めたばかりの方や、工程管理を担当しているもののうまくできていないと感じる方の中には「きつい」と感じる方もいるのではないのでしょうか。
きついと諦めてしまう前に、まずは工程管理の仕事と向き合うことが大切です。inまた、きつさを改善するには、原因を知り対策を行う必要があります。対策を行うことで工程管理業務自体の効率化も期待できます。そこで本記事では原因や対策、工程管理の仕事のやりがいを解説していきます。

工程管理の仕事内容

まず、工程管理の業務内容を改めて確認します。下記に挙げているように業務範囲は広く多岐に渡り、簡単な仕事ではないことがわかります。

計画の作成

プロジェクトの計画を作成します。完成までの作業工程を洗い出し、担当者が作業可能なレベルまで工程を細分化し、優先度や前後関係を考慮しながら日程の計画や担当者の割り当てを行います。

リソース管理

工程計画時や進捗を管理する中で必要なリソースを割り当て、不足している場合は計画が予定通り進められるようリソースの調整や、スケジュールの調整、仕様の調整などを行います。

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進捗管理

プロジェクトが開始したら工程通りに進んでいるかの管理や、次工程の準備、問題の解消などを行います。進捗の遅れが発生した場合は、リカバリ対策を検討・実施し、予定通りに進むよう関係各所と調整します。

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品質管理

工程を進める中で成果物の品質が守られているか、品質管理を行います。多くの場合マイルストンごとに品質チェックを行いながらプロジェクトを進めます。

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課題・リスク管理

プロジェクト進行の妨げとなる課題やリスクの管理を行います。発生した課題の対策実施の方向性の判断や課題解決の進捗状況を管理します。
リスクは、発生しそうなリスクを予め予測し、発生した場合にどう対処を行うかという対策も含め検討しておきます。

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調整や報告業務

社内上層部への進捗報告や受託開発の場合は顧客への進捗報告を行います。仕様変更の調整が発生することも多くあり、その場合、随時スケジュールやリソースの調整を行いながら進めます。

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工程管理がきついと言われる原因とは

きつい原因にはさまざまな要因がありますが、下記のようなことが考えられます。

工程が遅れる

プロジェクトの進行で遅延はつきものですが、工程が常に遅れ、リカバリ対応に追われる状況になると緊張状態が続き、体力的にも精神的にも負荷がかかります。
この原因は工程管理を計画する際の見積やスケジューリングが甘いことや、予定外の事象が発生するなどがあります。

リソースが足りない

作業リソースが足りていない場合、残業や休日出勤が続き疲弊します。社内でリソースの調整ができない場合、慢性的なリソース不足できつい状況が続きます。また、新しい人を採用できたとしても教育期間などがあり、既存メンバーに逆に負担がかかる場合もあります。
原因としては、工程の遅れと同じ原因が考えられます。

上層部とチーム、クライアントとチームとの板挟み

上層部やクライアントからはスケジュールの死守やコスト削減などを迫られ、チームからは不平不満があがり、板挟みになる状態が考えられます。
どちらも調整が難しいという場合も多く、管理者にストレスがかかります。
原因として、要求をそのまま受け入れてしまうケースが多くノーと言えない場合に発生しがちです。管理者は論理的に説明し、ノーという回答とセットで代替案を提案するなどのスキルが求められます。

トラブルに追われる

プロジェクトでは問題が発生することが多々あります。トラブル対応に加えて進捗管理や報告など工程管理の業務を行う必要があるためきつい原因のひとつになることがあります。
トラブルの発生は予想ができませんが、リスク管理としてある程度想定しておくことが対策となります。

報告時に謝罪しなければならないことが多い

工程の遅れ、トラブルの発生など、上層部やクライアントに謝る事象が多い場合精神的ストレスが多くなります。また、報告書の作成や改善策、対策となる作業を求められることがあるため更に仕事の量が増える悪循環に陥ります。
謝罪する要因は様々ありますが、工程管理は積み上げ作業でもあるため、「工程管理の仕事内容」に挙げた管理項目を一つひとつ丁寧に行うことで謝罪すべき事象の発生をある程度少なくすることができます。

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「きつい」をなくす対策

工程管理の業務がきついと感じたまま続けることは誰にとってもメリットはありません。
放置せずに対策を講じることで少しずつ改善することが重要です。

きつい原因がなにか分析する

対策を行うには大きな原因がなにかを解明する必要があります。多くの場合仕様の定義漏れや考慮不足が後工程になって発覚し、リソース不足や残業、調整業務など追加作業が発生することが殆どです。
発生している事象の対処も必要ですが、抜本的な対策として根本原因を特定し、解決していくことが重要です。
また、工程管理は、WBS作成時にどれだけ抜け漏れなくタスクを洗い出し、作業内容を検討できているか、適切な工数が割り当てられているかが肝になります。

関連記事:IT企業の工程管理のポイントは作業への”ブレークダウン”にあり!

ワークフローを見直す

きつい状態を生み出している原因のひとつとして、稼働の高さが考えられます。稼働の高さの原因にはリソース不足やトラブルの発生があり、それらを解消するにはトラブルの原因を分析し根本的な対策を打つことです。
稼働が高い状態がどこからきているのか、例えば品質が悪い場合、品質を上げるために開発前後にレビューを行うなど業務フローを見直すことで後工程での問題発生を抑止することができます。

工程管理の粒度や計画を見直す

リソース不足やトラブルの発生原因は計画が甘いということが原因のひとつとして考えられます。この場合、工程管理の見直しには一定のパワーが必要な作業になるものの、気づいた段階で立ち止まり、以降の計画を見直す方が結果的に楽になる場合もあります。

ツールの導入

工程管理ツールを導入すれば、効率よく工程管理を行うことができます。工程管理システムを導入すると、管理者の負担を減らしながら正確な進捗管理が行なえ、企業としてもプロジェクトとしてもメリットが大きいです。

関連記事:工程管理の基本|効率化と生産性向上のためのツール導入についても解説

俯瞰と移譲

管理者がエンジニア出身の場合は、できる守備範囲が広くスキルを持っていることも多いため、ひとりで何でもやりすぎている場合があります。俯瞰してプロジェクトを見て、移譲できるところは移譲していくことがチームを育てることにもなり、チームのスキルが上がれば結果的に自身のきつい状況を取り除くことができます。

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工程管理にはやりがいも多い

きついと言われる工程管理ですが、やりがいが多いことも事実です。
下記にあげるような工程管理の前向きな面に目を向けていくことも、きつい状態を緩和する材料になります。

チームワークの形成や育てる楽しさ

プロジェクトはチームで進めることが殆どです。チームの成長を考え、チームビルディングを行いながらプロジェクトを進めるなかで個人やチーム、プロダクトが育っていくさまを一緒に体験できることを喜びに感じる人は多いです。
互い気持ちよく仕事ができたときや、それが結果に繋がるとより一層の充実感が得られるでしょう。
今までと違う視点で周りに目を向け、共に成長することを考えてみることがポイントです。

上流工程の総合的なスキルアップができる

工程管理の仕事内容は守備範囲が広く、進行する中でその場の臨機応変な判断や対応が求められます。厳しい状況であるほど自然と調整能力や交渉スキルが鍛えられ上流工程のスキルアップが図れることが多いです。

納品完了時の達成感

ものづくりや育てることに楽しさを感じられる人にとっては、納品完了時大きな達成感が得られるでしょう。更に、リリース後のユーザーや顧客の反応などもやりがいのひとつになります。

転職にも強く、年収アップも期待できる

工程管理は上流工程のスキルで、誰もがすぐできる仕事ではなく、経験と知識が必要なポジションです。DX(デジタル・トランスフォーメーション)の高まりなどにより、非常に需要の高いポジションであるため経験があるほど転職にも強く、年収も高い傾向にあります。
実際、総務省の2022年の情報通信白書では「デジタル・トランスフォーメーションを推進する上での課題」として日本企業の約7割が「DXの人材不足」をあげています。

まとめ

工程管理を行うポジションは、業務範囲も広く大変な仕事のひとつですが、その分やりがいも大きく市場価値の高いスキルが身につきます。多くの人が「きつい」と感じたことがあるでしょう。しかしそのきつさは、対策を行い軽減することが可能です。
業務の見直しに加え、工程管理を楽にするための工数管理ツールの導入もひとつの手段です。
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