時間管理とは?限られた時間を最大限に活用するテクニックを紹介!

一生懸命仕事をしているのに、「約束した期日までに仕事が終わらない」、「残業続きで何とか終わらせた」など、ITプロジェクトに携わる多くの人がこれらを経験したことがあるかと思います。これらは、時間管理を徹底することで改善につなげることができます。この記事では、時間管理のコツとITプロジェクトにおける時間管理の必要性を解説します。

時間管理とは?

まず、時間管理の概要を解説します。

時間管理の意味

時間管理とは英語のタイムマネージメントの略で、時間を有効活用することです。ビジネスの現場では予定を管理するだけにとどまらず、仕事の効率アップを図り生産性を向上させるための活動で、限られた時間を最大限に有効活用することを目的とします。

時間管理スキルはビジネスマンに必須

ビジネス環境は様々ですが、通常仕事は一人だけでは行えず、必ず社内外の様々な人と連携しながら進めていきます。
そのような中、職場を見まわしてみると、しばしば約束期日を守れない人がいます。ある仕事の納期が守られないと、連動して予定している関連する仕事が遅れ、成果物の納期が間に合わないなど、大きな影響が発生してしまう場合があります。

一方で、常に多くの仕事を抱えながらも、仕事を約束した期日までに仕上げていく人もいます。

両者の違いは、時間管理を実践しているかと言えるでしょう。時間管理を実践している人は、仕事で評価され、人からも信頼されます。時間管理スキルはビジネスマンにとって必須なのです。

時間管理のメリット

続いて、時間管理を行うメリットについて解説します。時間管理を実践することによって、以下のメリットを得られます。

  • 効率的に仕事を進められるようになる
  • 精神的に余裕がうまれてパフォーマンスの向上につながる
  • 周囲からの信頼度・評価が高くなる
  • 自分の知識やスキルを磨くための時間が増える

効率的に仕事を進められるようになる

時間管理を行うには、仕事の全体像を把握したうえで段取りや進め方を考える必要があります。そのため、仕事の優先順位を付けて効率的に作業できるようになります。また、無駄な作業をしている時間をなくすことも可能です。

効率的に仕事を進められるようになれば、日々のタスクに追われることがなくなります。その結果、業務をより効率的に行う方法や、生産性向上につながる方法などを考える時間も作れるでしょう。

精神的に余裕がうまれてパフォーマンスの向上につながる

時間管理によって精神的な余裕がうまれることで、社員のパフォーマンス向上も期待できます。忙しい業務の合間に作成した資料と、十分に時間をかけて作成した資料では、資料の完成度や質が大きく異なります。締め切りギリギリに焦った状態で作成したものは、完成度も低くなりがちです。時間管理を行うことでパフォーマンスが向上すれば、成果物の質が高まり、自ずと仕事の成果も出やすくなるでしょう。

周囲からの信頼度・評価が高くなる

時間管理を日頃から意識して行うことで、周囲からの信頼度・評価が高まるメリットもあります。仕事の締め切りや約束を守れない場合、同僚や上司、取引先からの信頼や評価は必然的に低くなるでしょう。

時間管理を行い、スケジュール通りに仕事を進めていけば、やるべき仕事を失念したり、締め切りに間に合わなかったりするトラブルを減らせます。精神的に余裕ができるほか、周囲からの信頼度・評価も高くなるでしょう。

自分の知識やスキルを磨くための時間が増える

時間管理を行うと、業務効率が上がり、決められた業務時間内で仕事を終わらせることが可能です。残業時間がなくなるため、空いた時間で自分の知識やスキルを磨けるようになるでしょう。たとえば、今後のキャリアを形成するうえで必要な資格の取得や、自分の将来に向けた勉強など、時間を有効に使えるようになります。

また、仕事を効率的に終わらせてプライベートの時間が増えることで、オン・オフのメリハリがつく点もメリットです。仕事以外の時間を有意義に過ごしてリフレッシュすれば、より意欲的に仕事へ取り組めるようになるでしょう。

時間管理が失敗する原因

時間管理をいざ実施しようと思っても、うまくいかずに挫折してしまうケースも多く見られます。時間管理が失敗する主な原因は、以下の3点です。

  • タスクの優先順位の付け方が誤っている
  • 自分のタスクを適切に管理できていない
  • 自身の時間リソースを無駄に使っている

タスクの優先順位の付け方が誤っている

日々の仕事を効率的に進めていくためには、タスクの優先順位を付けて明確なスケジュールを組むことが基本です。時間管理が失敗する原因の一つとして、タスクの優先順位の付け方が誤っていることが挙げられます。たとえば、目の前にある仕事から順に処理しようとしたり、なんとなく自分ができそうな作業から着手したりすると、すべてのタスクを完了させるために多くの時間がかかります。タスクを重要度・緊急性が高いものと低いものに分類しておけば、どの仕事を優先的に行うべきかを判断しやすくなるでしょう。

自分のタスクを適切に管理できていない

自分のタスクを適切に管理できていない状態では、納期遅れやスケジュールの抜け漏れなどが起こりやすくなり、時間管理に失敗してしまいます。自分がやるべきことを把握するためには、具体的な仕事内容や完了予定時間などを整理する習慣をつけることが大切です。

まずは、自分が普段行っている業務の一つひとつに対し、どれくらいの時間がかかっているのかを把握しましょう。また、イレギュラーな対応が発生する場合もあるため、タスクを詰め込みすぎないようにすることもポイントです。

自身の時間リソースを無駄に使っている

タスクの優先順位を付け、自分のタスクを適切に管理している人であっても、自身の時間リソースを有効に使えていないケースが多く見られます。自分の時間に対する意識が低ければ、作業を完了させるまでに時間がかかり、その結果タスクが後ろ倒しになってしまうでしょう。時間管理がうまくいっていない場合、自分が使える時間はどれだけあるのかを把握し、そのうえでタスク管理を行う必要があります。

時間管理のコツ

次に、時間管理のコツを解説します。
時間管理には、以下の3つの要素があります。

  • スケジュールを管理する
  • 時間価値を高める
  • 時間管理により生まれた空き時間を有効活用する

スケジュールを管理する

スケジュール管理にはいくつかのポイントがあります。
以下の流れで管理すると良いでしょう。

ステップ1:スケジュール管理ツールの導入

まず、スケジュール管理をするツールを決めます。

ステップ2: 目標設定

時間管理をするためには、「自分はこの期限までにxxxを達成する」といった目標が必要です。

ステップ3:タスクの可視化

続いて、自分が担当している業務を分解し、タスクを洗い出していきます。最初の段階でタスクを細かく分解すると負担が大きいため、まずは粗く洗い出し、必要な部分はさらに細かく洗い出すことが大切です。タスクを可視化したら、それぞれのタスクを完了させるために必要な時間や期間を確認しましょう。

ステップ4:タスクの仕分け(優先度の整理)

次に、仕事の仕訳が必要です。仕事には、緊急性の高いもの/低いもの、また重要性の高いもの/低いもの、ある程度予定できるもの/ランダムに発生し飛び込んでくるものなど、千差万別です。これを発生した順に行っていては、時間が何時間あっても足りません。以下のように仕分けをして、優先度をつけましょう。

区分A : 重要性大かつ緊急性大の仕事(例 : 重要な緊急トラブル)
区分B : 重要性小かつ緊急性大の仕事(例 : 緊急性を要し関連者も多い連絡など)
区分C : 重要性大かつ緊急性小の仕事(例 : 重要案件だが期限がまだ先のもの)
区分D : 重要性小かつ緊急性小の仕事(例 : メールのCCで届くような、とりあえずの連絡)

ステップ5:スケジュール作成

スケジュール管理ツールに、ステップ3で整理したタスクを登録し進捗を管理します。

ステップ6:PDCAサイクルで改善

一定期間このやり方で仕事を進め、状況をチェックします。問題があればその部分を改善します。

時間価値を高める

スケジュールを管理することで、仕事が整理され一定の効果が上がっていますが、さらに時間価値(時間当たりの仕事の処理量)を増加させることができます。以下は時間価値を高める主な方法です。

  • パレートの法則(2:8の法則)をうまく使う(人から依頼された仕事は常に100%の完成度を求められている訳ではないので、とりあえず20%の労力で80%の成果を見せる)
  • 不確実なものは先に行い、遅延リスクを回避する
  • 前述の仕事の重大度で(区分B)や(区分C)の仕事を行うための時間を、できるだけ細分化せずまとめて確保する(1つの案件はできるだけ一気に終了させる)
  • 必要なすべての仕事をスケジュールでみえる化し、常に自由に使える時間を明確にしておく
  • 目的があいまいで成果の望めない会議や打ち合わせは、設定しない
  • 複数の会議や打ち合わせは、できるだけ連続させる(次があれば長引くのを防止できる)
  • 客先などへの移動時間、会議の合間などの隙間時間も有効に使う(たとえ読み書きができなくても、アイデアを温めたりすることは可能)
  • 一日に何度もスケジュールを確認し、差異があるようなら調整する
  • 飛び込み案件は優先順位を考え、優先順位の高いものはすぐに、それ以外は後でまとめて行う
  • 定期的にスケジュール作成時の計画と実際の結果の差異分析を行い、計画や仕事の進め方の改善を行う

時間管理により生まれた空き時間を有効活用する

スケジュールを管理し、時間価値を高めることで生まれた空き時間をスキル向上に当てることで、ビジネススキルのアップを図りましょう。ビジネススキルが向上することで、各タスクに掛かる時間が短縮されます。このように、時間管理を起点として良いサイクルを産むことができるのです。

ITプロジェクトで時間管理がなぜ必要なのか?

最後に、ITプロジェクトに時間管理が必要な理由を解説します。
プロジェクトでは、よくQCDが重要と言われます。すなわち、Q(クオリティ=品質)、C(コスト)、D(デリバリ=納期)がバランスよく管理されて、はじめてプロジェクトが成功に導かれるのです。特にITプロジェクトでは、時間管理がこれら三要素をコントロールする鍵になるといっても過言ではありません。なぜなら、時間管理は直接納期に影響を与え、人件費の占める割合の多いITプロジェクトで時間管理が不十分だとコストにも悪影響を与え、間接的に品質にも影響を与えるからです。

ITプロジェクトにおいても時間管理の原則は同じですが、以下のポイントに配慮することでプロジェクトの成功という大きな成果を期待できます。

  • 全体目標が明確でかつ個人レベルの目標も明確になっている
  • 全体もしくはチーム単位の管理がされている
  • メンバーの残業を前提とした計画をたてない
  • タスク間の前後関係を考慮する
  • WBS(Work Breakdown Structure)手法を駆使して計画を作成する
  • 全体工程のクリティカルパス上のタスクや他のタスクとの依存度が高いタスクは、遅延しないよう特に注意する
  • 仕様書のレビューやシステムテストなど、品質向上につながるタスクにも十分な時間を配分する

ITプロジェクトの時間管理に役立つツール

ここでは、時間管理に役立つツールを3つ紹介します。

プロジェクト管理ツール

ITプロジェクトにおける時間管理を効率化するには、プロジェクト管理ツールを導入すると良いでしょう。プロジェクト管理ツールとは、プロジェクトを予定通り進めることを目的としたツールです。プロジェクト管理ツールはクラウド型が主流で、月数百円程度から利用することができます。プロジェクト管理ツールは、時間管理を支援するだけでなく、WBSの作成や勤怠管理、レポート(プロジェクト収支など)機能などを搭載しており、プロジェクトの効率化に必要不可欠です。また、社員ごとのタスクやプロジェクトのスケジュール、コストなど、プロジェクトに関わるリソースを一括して管理することもできます。プロジェクト管理ツールとして有名なのが「Backlog」です。

時間管理ツール

時間管理ツールとは、作業の時間を記録したり、1日の作業にかかった時間を視覚化したりするツールです。「タイムトラッキングツール」とも呼ばれています。時間管理ツールは、タスクを視覚的に管理できる「Trello」や、スケジュールを管理できる「Google カレンダー」などが有名です。

時間管理が適切にできていなければ、仕事をスケジュール通りにこなせなくなるほか、社員の負担も大きくなります。時間管理ツールを導入し、日頃の時間の使い方を可視化すれば、より効率的な作業の方法を考えたり、生産性が高い時間の使い方を意識したりすることが可能です。

工数管理ツール

工数管理ツールとは、メンバーの業務を可視化し、作業時間の予測・実績を計測するツールを指します。個人の作業時間を管理できる「作業管理ツール」に対し、工数管理ツールはプロジェクトメンバー全体のパフォーマンスを可視化できる点が特徴です。

工数管理ツールである「クラウドログ」は、勤怠ツールと連携することで工数入力の手間を減らせる仕組みです。プロジェクトや工数ごとに、リアルタイムの予実を把握できます。業務分類を設定できるため、様々な粒度で工数の登録・集計が可能です。また、割合を確認しやすい円グラフや、実績推移を把握しやすい棒グラフなど、多彩なグラフで工数を確認することもできます。

まとめ

この記事では、時間管理のコツとITプロジェクトにおける時間管理の必要性を解説しました。解説したように、時間管理を行うことで仕事の密度(時間価値)が上がり、限られた時間を有効活用できるようになります。時間管理はアプリやツールで行う方法が主流です。様々なツールがありますので、トライアル利用などして自社に最適なツールを見つけてみて下さい。

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