プロジェクト管理をチームで行うメリットとは? 

「プロジェクト管理」というとリーダーやマネージャーの仕事ととらえられがちですが、プロジェクト管理は管理者だけの仕事ではありません。例えば、プロジェクトの進捗状況はメンバー全員が共有するべき情報です。自分の進捗状況や課題をきちんと報告することで他のメンバーから助言や協力が得られることがあります。その逆に進捗が遅れている他のメンバーの作業をカバーすることもあるでしょう。
そのようにチームワークを発揮できればチームにもメンバー個人にとってもメリットが生まれるのです。またプロジェクト管理ツールは管理者による進捗管理だけでなくメンバーが個人の作業を管理するツールとしても利用できます。

1. プロジェクト管理とは

まず、プロジェクト管理とはなにか、プロジェクト管理の基本について説明します。

1-1. プロジェクトとは

そもそも「プロジェクト」とは何でしょうか?

英語の「project」の語源はpro-(前に)ject(投げる)で、前方に投げられたもの(映像や目標)を意味します。企画会議で参加者の前に映し出されたプロジェクターの映像といったイメージですね。また「前方」というのは時間的に未来のこと、つまり将来の計画ということも示しています。

このようにプロジェクトには目標を共有して計画的に進めていく業務という意味合いがあります。通常、「○○プロジェクト」というと一人で短期間のうちに完了できる仕事ではなく、大きな目標を掲げて集団で取り組む仕事を指します。したがってプロジェクトは多くの作業(タスク)の集合であり。プロジェクトチームは多くの人の集まりになります。

1-2. プロジェクト管理

それでは、プロジェクト管理はどのような目的で、何を管理するものなのでしょうか?

プロジェクトは大規模な業務なので、一気に完遂することは出来ません。小さなタスクに分割し、日々の作業としてスケジュールに落とし込む必要があります。また、スケジュール通りに作業が進まない場合、何らかの対処を行ってプロジェクトの目標が達成できるようにしなければなりません。
このようにプロジェクト(=映し出されたビジョン)が「絵に描いた餅」にならないように、目標達成への道筋を付けることがプロジェクト管理です。

プロジェクト管理というとすぐに思い浮かぶのが進捗管理(スケジュール管理)ですが、プロジェクト管理の中で行うべき管理項目としては次のようなものがあります。

  • コスト管理:プロジェクト全体のコストを管理します。ITプロジェクトの場合、コストの大部分が人件費なので工数管理とほぼ同じ意味になります。
  • 調達管理:製品やサービスの調達先を管理して、納品遅れなどによるプロジェクト遅延を防ぎます。
  • リスク管理:発生しうる問題をあらかじめ予測しそれに備えて対処することです。難易度が高いタスクの遅延を予測してスケジュールにバッファを持たせておくこともリスク管理の一つです。
  • スコープ管理:「スコープ」とは視野や視点のことです。プロジェクトの目的を表すプロジェクトスコープ、「何をつくるか」という成果物スコープの2点でプロジェクトの方針を明らかにします。
  • 品質管理:ITプロジェクトでは設計書レビュー記録、テスト結果などによって品質をはかります。
  • 要員管理:メンバーの適性や専門分野にあったタスクを割り当てます。また、メンバーごとの負荷状況を把握してタスク割り当てを調整します。
  • コミュニケーション管理:プロジェクトのコミュニケーションルールを決めて、情報伝達や課題解決が円滑に行えるようにします。

1-3. チーム運営

プロジェクトの仕事はチームとして取り組むので、プロジェクト管理にはチーム運営の要素(要員管理、コミュニケーション管理)が含まれます。

プロジェクトを成功させるには、まずチーム作りが重要なポイントです。よくある例として、コミュニケーションのハブがリーダーで、プロジェクトの情報をすべてリーダーが管理しているパターンです。この場合、課題解決や問い合わせがリーダーに集中するとプロジェクトが回らなくなります。UIデザインのレビューはAさんにメールで依頼する、テスト環境についてはBさんに問い合わせる等のルールを決めておけば、いちいちリーダーを通すことなくメンバーが自律的に動くようになります。また、進捗管理についても、進捗情報の更新ルールを決めておけばメンバーが自律的に常に最新状態に更新してくれるでしょう。

プロジェクトを管理することがリーダーの存在意義だと思われるかも知れませんが、適切にメンバーに権限移譲することも良いリーダーシップの一つです。リーダーの立てた計画に従ってチームメンバー全員でプロジェクト管理を行うのが理想的な在り方です。

2. プロジェクト管理をチーム全体で行うメリット

ここから、チーム全体でプロジェクト管理を行った場合のメリットを管理者の立場とメンバーの立場に分けて解説します。

2-1. リーダーのメリット

リーダーのメリットとして一番に上げられるのは、進捗確認の手間が省けることです。メンバーが常に進捗情報を最新状態に更新してくれているので、メンバーに個別にヒアリングしてリーダー自らが進捗を入力するなどの必要がありません。メンバーでできる事はメンバーに任せて、リーダーはプロジェクト推進に注力できます。

また、実際に作業を行った人が進捗情報を入力する方が作業時間等の値が正確で漏れが少なくなるので、プロジェクトの利益・生産性を測る際の精度が高くなります。

2-2. メンバーのメリット

チーム全体としてプロジェクト管理を行うことはメンバーとしてもメリットがあります。

自分でスケジュール管理を行っているので、当然自分の作業工数(計画と実績)が把握できます。これはまた同じ種類の作業をする場合の所要時間の基準として利用できます。自分の作業見積もりの精度を上げるための材料として使えるのです。

また、コミュニケーションのルールを決めておくことで、問題があった場合に直接担当者に問い合わせることができるので、解決が早くなります。

そして、情報が常に最新に更新されていることで、他のメンバーと連携がしやすくなります。

例えば、「Cさんが作成している共通関数は後2日で完成目途なので、来週結合テスト開始のスケジュールで調整しよう」などの判断ができます。

3. ITプロジェクト管理に役立つツール

ITプロジェクト管理には、プロジェクト管理ツールを利用すると便利です。プロジェクト管理ツールではスケジュール管理・工数管理が簡単にできるようになっています。

メンバーが入力した工数実績がリアルタイムで反映されるので、他のメンバーとの情報連携にも使用できます。またメンバーごとや部署ごとにアクセス設定をすることができるので更新のルールを適用することができます。

プロジェクト管理ツールのこれらの機能を利用して、チームメンバーが自律的にプロジェクトを管理・推進していくことができます。

4. まとめ

この記事では、プロジェクト管理をチーム全体で行うメリットについて解説してきました。マネジメントやプロジェクト管理はリーダーの仕事と思われていますが、メンバーが主体的にプロジェクト管理に関わることによってチームワークが向上します。プロジェクト管理ツールを活用することによってチーム力を高めてみてはいかがでしょうか。

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