キックオフミーティングを成功させるには?準備と会議の進め方

プロジェクトが立ち上がった際、プロジェクトマネージャーが最初に行う大きなイベントがキックオフミーティングでしょう。キックオフミーティングはどんなプロジェクトでも開催する必要があるのでしょうか。答えは「YES」です。本記事ではキックオフミーティングの開催が必要である理由や目的、キックオフミーティングで何をすべきか、進め方などを解説していきます。

キックオフミーティングとは?

キックオフミーティングとは、プロジェクトの関係者が一同に会し、プロジェクトの概要や目的、スケジュール、予算、体制などを確認し、認識を合わせた上でプロジェクトを開始させるための会議のことを言います。
状況に応じて社内の関係者のみで行う場合や、取引先の関係者やプロジェクト関係者全員を集めて開催する場合があります。

試合開始を英語で「kick off」というように、プロジェクトのスタートを試合開始に見立てて用いられている造語です。英語由来のため海外でもキックオフミーティングという言葉が使われます。

キックオフミーティングはなぜ必要なのか

キックオフミーティングはなぜ必要なのでしょうか。一般的には下記目的が挙げられます。

  1. プロジェクトの概要の認識合わせ
  2. 合意形成
  3. エビデンスのひとつにする
  4. 関係者の顔合わせ
  5. 士気を高める
  6. それぞれ内容を確認していきましょう。

1.プロジェクトの概要の認識合わせ

キックオフミーティングでは、プロジェクトの概要や目的、スケジュール、予算、体制などプロジェクトの全体像を確認します。

プロジェクトに関わる人や関わり方は様々であるため、全員が同じ状態・同じ情報を持ってスタートラインに立てるよう関係者の認識を合わせます。

2.合意形成

前述した「1.プロジェクト概要の認識合わせ」は、「これでいいですよね?」という関係者への確認であり、ここで意義を唱えない場合は合意したものとして扱います。

3.エビデンスのひとつにする

キックオフミーティングは質疑の内容も含め合意されたものとしてエビデンスになります。後々トラブルが発生したときや、発生しそうなとき役に立つことがあります。

4.関係者の顔合わせ

プロジェクトにはチーム以外にも様々な人が関わります。コミュニケーションをスムーズに行うため、最初に顔合わせを行い、体制図などで役割を明確にします。

可能であれば一言ずつ挨拶を行うのが良いとされますが、状況に応じてやり方や進め方を変えても良いでしょう。

5.士気を高める

キックオフミーティングを行うことでチームにやる気を起こさせ、士気を高めることもプロジェクトマネージャーとして必要かつ重要な仕事のひとつです。これはプロジェクトの成功・失敗にも大きく関わるものです。

キックオフミーティングですべきこと

キックオフミーティングで行うこととして、一般的には下記が挙げられます。

  • プロジェクト概要の説明
  • 自己紹介
  • 質疑応答

しかし、これでは具体的に何をすべきかイメージが付きにくいかもしれません。その場合、5Wまたは5W1H、5W2Hを意識してプロジェクトの概要を説明していくと良いでしょう。

5W、5W1H、5W2Hをキックオフミーティングにあてはめると以下のようになります。

5
W
5
W
1
H
5
W
2
H
When(いつ) プロジェクトスケジュール
Where(どこで) 開発場所など
Who(だれが) 組織体制、役割
Why(なぜ) なぜこのプロジェクトが必要なのか、プロジェクトの背景
What(何を) プロジェクトの目的、ゴール、何を作るのかなどの概要
How(どのように) どのようなツール、技術を使って作るのか、課題は何か
How much(いくらで) 予算

これらをキックオフ資料に記載し、会議を進めます。

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キックオフミーティングは準備にかかっている?キックオフ資料を用意しよう

前項の通り、キックオフミーティングの進め方は5W、5W1H、5W2Hを整理すると抜け漏れがおきにくく、参加した人も理解しやすくなります。
会議をスムーズに進めるためには事前に情報をまとめ、資料を整備しておく必要があります。

資料の作成には労力が必要ですが、作業するなかで情報を整理でき、リスクと思われる箇所や過不足に気付くことができます。
キックオフミーティング自体も大切ですが、会議を開催するための整理作業が非常に重要です。ここでは資料に整理・記載すべき内容を解説していきます。

キックオフ資料に記載すべき内容

  1. アジェンダ
  2. プロジェクト概要
  3. スケジュール
  4. 体制
  5. 使用ツール、コミュニケーション、環境
  6. 予算
  7. やること、やらないこと、プロジェクトの優先順位
  8. 現時点で想定されるリスク・課題
  9. 質疑応答

各項目について5W2Hに当てはめながら確認していきましょう。

1.アジェンダ

アジェンダを最初に記載しましょう。どんな会議でも同じですが、全体像を先に示し、参加者が安心して会議に参加でき、資料に何が書いてあるのかもひと目で理解できます。時間の目安なども記入しておくと参加者の集中力を保ちやすくなります。

2.プロジェクト概要(Why、What)

プロジェクトの目的、ゴール、成功条件を明示します。
なぜこのプロジェクトが必要なのか、どういった課題を解決するプロジェクトなのか、プロジェクトが必要となった背景、何をもって成功とするのかを共有します。

3.スケジュール(When)

プロジェクトスケジュールを記載します。細かいものは必要なく、フェーズごとやマイルストン、納期などを記した線表があれば良いでしょう。

4.体制(Who)

誰が何をするのか、組織体制、役割を明確にします。体制図だけではなく、各人の役割をはっきりさせることが重要です。特に、最終意思決定者は誰なのか、客先がいる場合、窓口は誰なのか、誰に何を聞けば良いかわかるレベルが好ましいでしょう。

5.使用ツール、コミュニケーション、環境(How、Where)

プロジェクトでは様々な技術やツールを使います。予め使う予定のツールを整理し、どのように開発を進めるのか、どこで開発するのか認識を合わせます。
プロジェクトを成功に導くためには新たなツールの導入を決定することも必要です。例えば、クラウドログのような工数管理ツールを利用すればプロジェクトのスケジュールや予実、ドキュメントの共有などがスムーズに行えます。

ZoomやSlackなどのコミュニケーションツール、ソース管理方法なども決めておくと良いでしょう。
開発環境や開発場所などについては、自社や客先で行うなどを明らかにしておきます。セキュリティの高いプロジェクトの場合は特に重要です。

6.予算(How much)

客先が加わるキックオフミーティングの場合は出さない場合もありますが、内部資料としてはコスト面も整理しておく必要があるでしょう。

7.やること、やらないこと、プロジェクトの優先順位(How)

このプロジェクトをどのように進めるのか、方針・判断基準を明示します。品質を重視するのか、スケジュールを重視するのか等、プロジェクトとして究極の状態になったとき、何を一番大事にするのかを整理し認識を合わせられるようにします。

8.現時点で想定されるリスク・課題(What、How)

現時点で想定されるリスクや課題をリストアップし、それをどのように解決する予定なのか等を記載します。

9.質疑応答

説明した内容に対し疑問点がないか確認し、発生した質疑は資料に残すか資料中に反映しアップデートします。可能な限りクリアにしたうえで会議を終えましょう。

ここでまとめた資料は、そのままプロジェクト計画書として運用することもできます。または、プロジェクト計画書を整備し、それをキックオフミーティングの資料として使っても良いでしょう。

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キックオフミーティングを成功させるために抑えておくべき3つのポイント

質の高い資料を準備できたとしても、それだけで会議が成功するというものではありません。
以下のポイントを抑え、キックオフミーティングを成功させましょう。

ポイント1:開催時期を見定める

早すぎても遅すぎても締まりのないキックオフミーティングになってしまうため、開催時期を見定める必要があります。

ポイント2:いきなり招集しない

役員レベルの人を除き、事前のネゴシエーションなしに、いきなりキックオフミーティングに招集するのは非常にリスキーです。余計な質疑が発生したり、今更感のある突っ込みが発生したりなどスムーズに進行しない可能性があります。
そのため、事前に説明・認識合わせを行えるチームメンバーや上司、客先担当者などの関係者には前段階で資料の共有や、要所々々説明しておくことで「初めて聞いた」や「聞いてないよ」という状態が発生しないようにしておきます。

ポイント3:資料を共有する

キックオフミーティングが問題なく終了したら、資料はエビデンスとなります。説明した内容は社内外含め「合意した」と扱うために開催後は関係者に必ず資料を共有し、参加者も議事として記載しておくなど何か問題が発生したときの防御線としても使えるようにしておきましょう。

まとめ

ここでは、キックオフミーティングについての解説を行ってきました。キックオフミーティングはプロジェクトの大小に関わらず実施することで、プロジェクトを成功させるための最初の一歩になるでしょう。
また、キックオフまでにプロジェクト管理ツールなどを選定しておくこともプロジェクトの成功率を高めるひとつの要素です。クラウドログは工数管理に加え、プロジェクト管理を行うための便利な機能が揃っています。無料の試用期間もあるため、是非導入をご検討ください。

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