知らず識らず陥っている「パーキンソンの法則」とは?現状のチェックと対策の実施で生産性を高めよう

IT人材不足が課題となっている昨今、多くの企業が人員不足を感じています。しかし、その人員不足は嘘かもしれません。これは、人は時間とお金があればあるだけ消費してしまうという「パーキンソンの法則」に陥っている可能性があるためです。この状態になっている場合、対策を行うことで生産性を向上し、人材不足を解消できる可能性があります。
ここでは、パーキンソンの法則とは何か、どういう状態がパーキンソンの法則に陥っていると言えるのか、また、この法則に陥っている場合どのような対策方法があるかを解説します。

パーキンソンの法則とは

パーキンソンの法則とは、イギリスの歴史学者・政治学者のシリル・ノースコート・パーキンソンの1957年の著作「パーキンソンの法則:進歩の追求」で提唱された法則のことです。
パーキンソンは、イギリスの行政を研究する中で、軍人の数は減っているにも関わらず役人の数が増えている現実から「仕事量は同じでも、人員は一定の割合で年々増える」ことを明らかにし、組織が肥大化するメカニズムを説いたものです。
パーキンソンの法則には、第一法則、第二法則、凡俗法則の3つがあります。以下、順に解説します。

第一法則

「仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する」
半日で終わる仕事でも、1日の猶予を与えられると、残りの時間まで費やしてしまう状態を言います。スケジュールに余裕があればある程作業は後回しにされたり、多くの時間を費やしたりなど、夏休みの宿題のようにギリギリまで時間を消費する状態を言います。

第二法則

「支出の額は、収入の額に達するまで膨張する」
年収があがり、収入が増えたとしても余裕ができるわけではなく、増えた分のお金は上限まで使ってしまう状態を言います。企業の場合、増収しているにも関わらず利益が伴わない状況がこれにあたります。

凡俗法則

「組織は些細な物事に対して、不釣り合いなほど重点を置く」
簡単なものごとの方に時間を費やし無駄な議論や時間を費やす状態を言います。
例えば、会議で、セキュリティ対策に関する議題と、ウォーターサーバの設置に関する議題がある場合、誰もが理解できる些細な議題であるウォーターサーバが注目され議論がなされる状態を言います。

パーキンソンの法則:第一法則の事例と対策

ここでは、第一法則の事例と対策を解説します。

第一法則の事例

事例1:増員したにも関わらず、残業時間が変わらない

慢性的な残業を減らすため、部門の要望に応じる形で希望人数の増員をしたにも関わらず、一向に残業時間が減らない。

事例2:余裕があるスケジュールのプロジェクトのはずが、最後までフル稼働になる

バッファを見てスケジュールを立て、余った時間は他の仕事をしてもらう予定のはずが、スケジュールの最後までプロジェクトにかかりきりの状態になる。

第一法則の対策

対策1:スケジュールに則った期限ではなく、作業時間で締め切りを設定する

スケジュールは大抵バッファを持って作成されます。スケジュールさえ守れば良いという考えの場合生産性などは考えず、タスクを後回しにしたり、完了した仕事をブラッシュアップしたりなどで多くの時間を費やしてしまいます。スケジュール自体は残し、運用するとしても、タスクの期限は実質の作業時間で期限を切るようにします。

対策2:タスク管理ツールなどで期限や優先度、タスクを見える化し、共有、追跡する

締め切りに余裕があると、タスクは後回しにされやすい傾向にあります。タスクの期限、予定工数、優先度を明確にし、さらにチーム内で共有することで周囲の目を意識させ、作業者のタスクの責任感を強くする状態にします。

対策3:あえて人員を削減する

人員の減少が発生した場合、一時大変になることはあってもたいてい業務はまわるものです。これは、そもそも余剰なリソースを持っていたか、人員が減ったことにより効率化を行うためです。そのため、人員を削減してみるのもひとつの方法と言えます。

対策4:評価制度を見直す

残業=頑張っている人、という概念は昨今減ってきていますが、古い考えがまだ残っている企業も多くあります。業務の効率化を行い、残業を減らしたことに対し評価をするという評価軸を取り入れることも対策として有効です。

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パーキンソンの法則:第二法則の事例と対策

次に、第二の法則の事例と対策を解説します。

第二法則の事例

事例1:増収に対する利益率が上がらない

毎年増収しているにも関わらず、一向に利益が増えない。

第二法則の対策

対策1:予実管理の徹底

予算と実績を比較して、多い場合も少ない場合も一定の範囲を超える場合はそこに問題があることは間違いありません。乖離がある場合は原因を追求し対策することがパーキンソンの法則を増幅させないための対策です。

対策2:期首予算を厳しく設定する

予算に余裕のある部署では、期末に近づくと使い切る行動を取ることが殆どでしょう。そして、たいていの場合次期予算は前期よりプラスして計画することから年々無駄が上乗せされる可能性があります。必要経費は追加予算として計上できることを前提に、期首予算を厳しく設定しておくこともひとつの方法です。

対策3:費用対効果を見直す

利益が増えたことで設備投資や各部の予算を増やしていることなどが原因として考えられます。事業を成長させるため、新規事業に投資や宣伝広告費の投入、接待費の確保、設備投資を行うことは当然のことですが、投じた費用がどの程度の利益を生み出しているのか、費用対効果を見て今後の判断をすることが重要です。

パーキンソンの法則:凡俗法則の事例と対策

最後に、凡俗法則の事例と対策を解説します。

凡俗法則の事例

事例1:些細なことに議論の時間を費やし、会議が長引く

会議の参加者が理解できない議題、例えばセキュリティやAIなど専門の知識がなければ妥当性が判断できないような議題には意見が出にくく議題がスムーズに進行し、「ウォーターサーバの設置」のように誰でもわかる議題には余計な議論が発生してしまい会議が無駄に長引く。

凡俗法則の対策

対策1:意思決定のフローや役割を見直す

対象となる議題に専門知識が必要な場合は、適材の中で議論し、最終決定は責任者が行うなど意思決定フローや役割を見直します。適材適所を意識し、会議メンバーや議論の場を適正にします。

まとめ

パーキンソンの法則は誰もが陥りやすい法則です。特に第一法則は組織の中で多く発生していることが考えられます。まずは、適正なタスク管理や時間管理を行うことが対策のひとつとも言えます。「クラウドログ」はチームでタスクの見える化や優先度付け、予実管理、時間管理を実現できるため、パーキンソンの法則の改善と生産性向上に有効なツールです。

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